国生みの神イザナギノオオカミ(伊弉諾大神)とは？ご利益や祀られている神社を紹介！

国を作ったとされる神、イザナギノオオカミを知っていますか？
イザナギノオオカミは、日本に存在する神様のなかでも「国生みの神」と呼ばれるものです。

この記事では、神話やありがたいご利益について説明していきます。
ぜひ、最後まで読み進めてみてください。

イザナギノオオカミはどんな神様？

イザナギノオオカミは、妻であるイザナミノカミとともに日本を作った神様と言われています。
天地開闢の際、神世七代の最後の神として生まれました。

国を作った偉大な神様でもありますが、人間味のある一面をのぞかせるなどどこか親近感のわく人物でもあります。

イザナギノオオカミの名前の由来

イザナギノオオカミは、日本で初めて「夫婦」となった男神です。
神世七代にも男女の区別のある神様は存在しますが、結婚したのはイザナギノオオカミが初めて。

「誘う(いざな・う)」に男を意味する「ぎ」がついて、イザナギという名前になった説が有力視されています。
また、妻であるイザナミノカミの名前と合わせた説も有名ですね。

イザナミノカミの「波（ナミ）」と、イザナギノオオカミの「凪（ナギ）」が対応するように付けられた名前なのかもしれません。

イザナギノオオカミの神話

イザナギノオオカミは、古事記の冒頭に書かれている「天地開闢」から登場します。
神世七代の最後の神として、イザナミノカミとともに誕生しました。

天の浮橋から天沼矛で海をかき混ぜ、島（日本列島）を作ったそうです。
日本は小さな島国ですが、こうやって作られたと考えると面白いですね。

また、イザナギノオオカミにはやや人間味が感じられる神話もあります。
妻であるイザナミノカミが火傷のために死んだあと、イザナギノオオカミは妻に会いたくて黄泉の国を訪れるのです。

イザナミノカミは、黄泉の国の神との話し合いが終わるまで絶対に覗いてはいけないと言いました。
しかし、「見るな」と言われると見たくなってしまうもの。

イザナギノオオカミも好奇心に耐え切れず、話し合いの様子を覗き見してしまいます。

そこで目にしたのはなんと、醜く変わり果てた愛する妻の姿でした。
驚き怖くなったイザナギノオオカミは、ひとり黄泉の国から逃げ帰ったそうです。

その後、黄泉の国のケガレを祓うための禊の中で三貴神が生まれます。

イザナギノオオカミの妻

イザナギノオオカミの妻は、イザナミノカミです。
ふたりとも、天地開闢の際に生まれた神世七代に該当します。

ここでのポイントは、イザナミノカミはイザナギノオオカミの妻であり妹でもあるということです。
現代ではきょうだいなど近親者の結婚は認められていませんが、神様は例外なのかもしれません。

イザナギノオオカミの子供

イザナギノオオカミは、生涯たくさんの子供を授かります。

• オオワタツミノカミ
• オオヤマツミノカミ
• ヒノカグチノカミ
• アマテラスオオミカミ
• ツクヨミノミコト
• スサノオノミコト

妻であるイザナミノカミが命を落とすきっかけになったのが、ヒノカグチノカミの出産です。
愛する妻の命を奪ったヒノカグチノカミを、イザナギノオオカミは自らの手で殺してしまいます。

ヒノカグチノカミまでは妻であるイザナミノカミが生んだ子ですが、アマテラスオオミカミ以降はイザナギノオオカミ自身が生んだ子供です。

イザナギノオオカミのご利益とは？

イザナギノオオカミは国生みの神として、たくさんのご利益があることでも知られています。
なかでも有名なものを、いくつか紹介していきましょう。

子孫繁盛

イザナギノオオカミは、生涯を通して非常に多くの子供を授かりました。
また、イザナギノオオカミ以降に誕生する神々のほとんどはイザナギノオオカミの子孫。

このことから、子孫繫盛のご利益でイザナギノオオカミの右に出る者はいないでしょう。

延命長寿

イザナギノオオカミは妻を失ってからも、その長い生涯を全うしました。
延命長寿とは、長く健康に生きるという意味です。

イザナギノオオカミは全ての神の父とも言える存在なので、延命効果も高いのかもしれません。

商売繁盛

一見イザナギノオオカミと商売繫盛は関係ないように思えますが、イザナギノオオカミの子孫には様々な神がいます。
その中には豊穣の神などもいますから、イザナギノオオカミをお参りすればそれらのご利益も得られるでしょう。

商売に成功したい人はもちろん、仕事で昇進したい人にもおすすめです。

夫婦円満

イザナギノオオカミは、日本で初めて結婚した神でもあります。
死んだ妻に会うために黄泉の国まで行くほど、妻を愛していたのでしょう。

夫婦円満のご利益は、相当強いのではないでしょうか。

縁結び

そして、イザナギノオオカミのご利益としては縁結びも有名です。
初めて結婚して夫婦になった神であり、黄泉の国まで会いに行く愛情深さは簡単にはマネすることはできません。
それを何のためらいもなく実行してしまうのは、それだけ好きな人を思う気持ちが強かったからでしょう。

このことから、縁結びに関しても非常に強いご利益を得られると信仰をあつめています。

イザナギノオオカミのご利益をたくさん受けるには？

イザナギノオオカミからはたくさんのご利益を授かることができますが、できればより多くのご利益を得たいと考える方も多いでしょう。

ここでは、一般的に言われる「ご利益をたくさん受ける方法」を紹介します。

信心深く礼節を持つ

イザナギノオオカミに限ってではありませんが、神様の姿というのは目で見ることはできません。
そのため、本当にいるのかどうかは誰にもわからないのです。

だからこそ、「神」の存在を信じましょう。

神を信じ、敬意と慎みの心を持ってお参りをすることが何よりも大切なのです。

ご利益のある参拝の仕方

一般的に言われる「正しい参拝の仕方」を紹介します。
神社によってルールが定められているケースもあるので、ある場合はそちらに従いましょう。

1. 鳥居の前で一礼する
2. 鳥居をくぐったら、左右どちらかに寄って歩く（真ん中は通らない）
3. お清めをする
4. 鈴を鳴らす
5. お賽銭を入れる
6. 二礼二拍手一礼

鳥居から先は神様の住処になりますから、厳粛な雰囲気を忘れずに進みたいですね。

自分自身を浄化する

神社には、必ず手水所があります。
お参りをする前には、手と口を清めましょう。

ひしゃくに水を一杯組み、その一杯の水で両手と口をすすぎます。
口をすすぐ際は、左手に水を注いでから行うようにしてください。

くれぐれも、ひしゃくを直接口につけることのないように気を付けましょう。

イザナギノオオカミのエピソード

ではここで、イザナギノオオカミに関するいくつかのエピソードを紹介しましょう。
ザナギノオオカミは国生みの神で知名度も高いので、色々なエピソードがあるのです。

パワースポット「江田神社」

江田神社は、イザナギノオオカミとイザナミノカミの両方を祀っている神社です。
実はこの江田神社、国内屈指のパワースポットと言われています。

イザナギノオオカミは黄泉の国から逃げてきたあと、ケガレを祓うために禊を行いました。
そのとき、体を清めたとされるみそぎ池が江田神社にあるのです。

ちなみにみそぎ池は、イザナギノオオカミから三貴神が生まれた場所。
国内屈指のパワースポットといわれるのも、そのことが由来となっているのでしょう。

また、赤い実をつけるオガタマノキと御神木のクスノキに触れると強運が得られるという言い伝えもあります。

イザナギとイザナミはどうやって生まれた？

イザナギノオオカミとイザナミノカミは、誰かから生まれたわけではありません。
天地開闢の際に、神世七代の最後として誕生しています。

ふたりは兄妹ですから、一緒に生まれたという説が濃厚です。

アマテラスとイザナギの関係は？

アマテラスオオミカミは、イザナギノオオカミの子供です。
黄泉の国のケガレを祓う禊のとき、イザナギノオオカミの左目から生まれました。

ちなみに右目からはツクヨミノミコトが、鼻からはスサノオノミコトが生まれています。

イザナギノオオカミが祀られてる神社

イザナギノオオカミは有名な神様なので、多くの神社に祀られています。
今回は、その中でも厳選した3つの神社を紹介しましょう。

ぜひ、お参りに行ってみてくださいね。

夫婦木神社

夫婦木神社は、イザナギノオオカミとイザナミノカミの両方を祀られている神社です。
子授けのご利益が非常に強く、多くの参拝客が訪れています。

例大祭は毎年5月16日より一週間行われ、誰でも参加することが可能です。
毎月何かしらの神事が行われていますから、気軽に足を運んでみてください。

多賀大社

多賀神社は、「お多賀さん」の愛称で親しまれています。
春は枝垂れ桜、秋は紅葉など見事な絶景が広がるのも魅力的です。

東に6キロほど行ったところに御神木である三本杉があるので、訪れた際にはぜひ眺めてみてください。
例大祭は、4月22日に行われる予定となっています。

熊野宮

社殿正面にある2本の欅の木は、夫婦欅と呼ばれています。
夫婦円満の象徴として、多くの参拝客に親しまれているのです。

6月には、赤ちゃんを対象とした泣き相撲も実施しています。
夏の大祓は箱根で行うなど、神事は神社の中だけにとどまっていません。

まとめ

日本を作った神様のひとり、イザナギノオオカミについて紹介しました。
イザナギノオオカミは偉大な神様でありながら、どこか親近感のわく存在でもあります。

好奇心に勝てなかったり、好きな人の変わり果てた姿に恐怖心を覚えるのはまさに人間そのもの。
神話の中に存在するイザナギノオオカミですが、一番私たちに近い神様と言えるかもしれません。