アメノカグヤマノミコトという神様を、知っていますか?
アメノカグヤマノミコトは、農業や倉の神として知られています。
一体どんな神様なのか、詳しく見ていきましょう。
アメノカグヤマノミコトについて知り、ぜひお参りに足を運んでみてください。
アメノカグヤマノミコトってどんな神様?
アメノカグヤマノミコトは、一言で言うなら農業の神様です。
農業の他にも、多くの産業を広めた第一人者と言われています。
どんなことを行った神様なのか、詳しく紹介していきましょう。
アメノカグヤマノミコトの神話
「アメノカグヤマノミコト」という名前の神様は、古事記にも日本書紀にも登場しません。
古事記や日本書紀では、アメノカグヤマノミコトは「タカクラジノミコト」という名前で登場します。
先代旧事本記によりますと、天孫降臨の際に現れた32柱のうちのひとりがアメノカグヤマノミコトです。
また、熊野に住んでいたという記述もあります。
アマテラスオオミカミのひ孫にあたり、様々な活躍をしたことが記されているのです。
神武天皇を救う
神武天皇は、日本で最初の天皇と言われています。
神武天皇が東征に行った際、途中で悪い神に苦戦していました。
その場所は熊野で、熊野に住んでいたアメノカグヤマノミコトが神武天皇を助けたのです。
アメノカグヤマノミコトは霊剣・布都御霊(ふつのみたま)を神武天皇に届け、それによって神武天皇は難を逃れたと言われています。アメノカグヤマノミコトがいなければ今の日本は存在しなかったのかもしれません。
越後国の開拓神へ
神武天皇を助けた数年後、越後の土地を気に入ったためアメノカグヤマノミコトは移住を決めます。
そして、越後の国の開拓に力を入れていくのです。
農業を筆頭に、漁業や塩の作り方などを伝えていきます。
越後は今の新潟ですから、農業や米作りが盛んなのも納得でしょう。
また、作った食料を保管するための倉を伝えたのもアメノカグヤマノミコトと言われています。
名前の由来
アメノカグヤマノミコトという名前は、「天の香具山」が由来だと言われています。
元々「天の香具山」は、神々の住む天界にあった山です。
それがふたつに分かれて地に落ちたそうですが、アメノカグヤマノミコトの名前は天界にあった頃の天香山からきていると言われています。
アメノカグヤマノミコトの別名
神様は、時代や書物によって様々な呼び方をされることも珍しくありません。
アメノカグヤマノミコトも例外ではなく、多くの呼び方があります。
その一部を紹介しましょう。
- アメノカゴヤマノミコト
- アメノカヤマノミコト
- カマノタカクラジノミコト
- イヤヒコノオオカミ
- タカクラジノミコト
これらはすべて、アメノカグヤマノミコトのことを指しています。
アメノカグヤマノミコトの様々な説
アメノカグヤマノミコトは古事記や日本書紀には登場しないなど、謎多き神様でもあります。
そんな謎多き神様にまつわる様々な説を、紹介していきましょう。
タカクラジノミコトと同一神?
先ほど、アメノカグヤマノミコトの別名に「タカクラジノミコト」があるという話をしました。
結論からいうと、アメノカグヤマノミコトとタカクラジノミコトは同一神として扱われることが多いです。
そもそもタカクラジノミコトは、古事記や日本書紀に登場する神様でもあります。
そこでは、タカクラジノミコトについて
- 天孫降臨の際に現れた32柱のひとり
- 神武天皇を救う
- 越後の開拓に尽力する
と書かれているのです。
もはや、アメノカグヤマノミコトのことを言っていると言っても過言ではありません。
ただし、「先代旧事本記」などではアメノカグヤマノミコトとタカクラジノミコトは別の神と言っています。
どちらが真実なのかは定かではないですが、同一神という見方が多いと言えるでしょう。
ニギハヤヒノミコトの御神子?
アメノカグヤマノミコトは、アマテラスオオミカミのひ孫にあたる男神です。
父親は、ニギハヤヒノミコトもしくはアメノホアカリノミコトと言われています。
一説によると、ニギハヤヒノミコトとアメノホアカリノミコトは同一とも言われているようですね。
もちろん両神が別の神という説もありますが、アメノカグヤマノミコトはニギハヤヒノミコトの子供という見方が強いのは間違いありません。
アメノカグヤマノミコトは倉庫の神?
アメノカグヤマノミコトは、様々な産業を越後に広めました。
各種農業・米作り・酒造り・漁業など多岐にわたります。
これらを広めた際、アメノカグヤマノミコトは同時に保存方法も広めていきました。
当時の食料の保存方法は、「暗所に保管する」というものだったのでしょう。
アメノカグヤマノミコトは生産したものの保管場所として倉を広めたため、倉庫の神・倉の神とも言われているのです。
アメノカグヤマノミコトのご利益
アメノカグヤマノミコトには、多くのご利益があると言われています。
農業や国の開拓、天皇を助けるなど様々な活躍をみせてきたからだと言えるでしょう。
私たちの生活にとって身近なお願い事も多いので、アメノカグヤマノミコトを信仰してみるのも良いかもしれません。
出世開運
アメノカグヤマノミコトは、神武天皇を助けたことで一躍有名になったと言っても過言ではありません。
今でいう出世街道に乗ったと言えるでしょう。
出世のための道を切り開きたいという人は、ぜひお参りに行ってみてください。
厄除開運
アメノカグヤマノミコトは、神武天皇を悪神の毒気から助けたと言われています。
こういう悪い気のことを、昔は厄災などと呼んでいました。
アメノカグヤマノミコトは厄災から神武天皇を救ったわけですから、厄除開運のご利益も得られるでしょう。
産業開発守護
越後の国に農業や漁業などを広めたのは、アメノカグヤマノミコトです。
様々な産業を広めた張本人ですから、産業開発にまつわるご利益は非常に高いと言えるでしょう。
これから新しく産業を始める人はもちろん、今の産業を見守ってほしい人にもおすすめです。
出世成功
アメノカグヤマノミコトは、「神武天皇を助けた」ことにより出世しました。
このことから、アメノカグヤマノミコトを信仰すると出世すると言われています。
出世したい人はもちろんですが、出世したばかりで今後が不安な人もお参りしてみてください。
病気平癒
病気平癒とは、いま抱えている病が治っていくというものです。
これは身体的な病だけではなく、精神的な不安などもあてはまると言えるでしょう。
アメノカグヤマノミコトをお参りすると精神的な不安が解消され、病も快方に向かうと信じられています。
アメノカグヤマノミコトが祀られている神社
ではここで、アメノカグヤマノミコトが祀られている神社をいくつか紹介します。
アメノカグヤマノミコトをお参りすると様々なご利益が得られるので、
近くに行った際はぜひ足を運んでみてください。
田村神社
住所 | 〒761-8084 香川県高松市一宮町286 |
電話番号 | 087-885-1541 |
公式サイト | https://tamurajinja.com/ |
主祭神 | ヤマトトトヒモモソヒメノミコト、イセザリヒコノミコト、 サルタヒコノオオカミ、アメノカグヤマノミコト、アメノイタネノミコト |
ご利益 | 厄除、病気平癒、商売繫盛、心願成就、縁結びなど |
田村神社は香川県にある神社で、縁結びで有名です。
また、毎週日曜日には「日曜市」を開催しています。
社務所隣接の建物がうどん店となり、多くのお客さんでにぎわっているようです。
かけうどんは200円と破格で、大人気メニューとのこと。
田村神社のうどんは縁起がいいと人気なので、日曜日に参拝に訪れる際は時間に余裕を持って行動すると良いでしょう。
彌彦神社
住所 | 〒959-0393 新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦2887-2 |
電話番号 | 0256-94-2001 |
公式サイト | https://www.yahiko-jinjya.or.jp/ |
主祭神 | イヤヒコノオオカミ、アメノカグヤマノミコト |
ご利益 | 家内安全、身体健全、社運隆昌、病気平癒 |
彌彦神社は、2400年もの歴史のある神社です。
古くから、多くの人々に信仰されてきました。
そんな彌彦神社では、四季折々の数多くの行事が行われています。
4月に行われている湯かけまつりは、境内に湧く神湯を沿道の群衆に振りかけながら練り歩くというものです。
観光地としても有名な場所なので、多くのお客さんが見物に訪れています。
尾張戸神社
住所 | 〒463-0001 愛知県瀬戸市十軒町845 |
電話番号 | 記載なし |
公式サイト | https://owaribe.jimdofree.com/ |
主祭神 | アマノホノアカリノミコト、アメノカグヤマノミコト、タケイナダネノミコト |
ご利益 | 厄除開運、交通安全、商売繫盛、家内安全 |
尾張戸神社は、標高198mの東谷山の山頂にあります。
行くためのルートはいくつかありますが、どのルートも自家用車は通行できません。
徒歩で約30分の山道を進むルートのみのため、行かれる際は歩きやすい服装で向いましょう。
大きな神社ではありませんが、春秋それぞれの例祭には多くの参加者が訪れております。
物部神社
住所 | 〒694-0011 島根県大田市川合町川合1545 |
電話番号 | 0854-82-0644 |
公式サイト | https://www.mononobe-jinja.jp/ |
主祭神 | ウマシマジノミコト |
ご利益 | 病気平癒、交通安全、社業繫栄、厄除け |
物部神社は、古来より多くの人に信仰されてきました。
文武両道・勝負運などの神として崇敬されています。
そんな物部神社では、季節ごとに様々な祭典を行っているそうです。
祭典限定で購入できるお守りなどが大人気なので、ぜひチェックしてみてください。
魚沼神社
住所 | 〒947-0031 新潟県小千谷市土川2-12-22 |
電話番号 | 記載なし |
参考サイト | https://www.niitabi.com/ojiya/uonuma.html |
主祭神 | アメノカグヤマノミコト |
ご利益 | 厄除け、五穀豊穣 |
新潟県にある魚沼神社の境内には、国の重要文化財でもある阿弥陀堂があります。
決して大きな神社ではないのですが、地元の人に愛されている神社だといえるでしょう。
毎年8月には神社の例大祭が行われています。
近くに行った際には、ぜひお参りしてみると良いでしょう。
まとめ
農業や倉の神として知られている、アメノカグヤマノミコトについて紹介しました。
アメノカグヤマノミコトは神武天皇を助けたり、越後の国の開拓に力を入れていた神様でもあります。
農業や産業は私たちの生活になくてはならないものなので、いかにアメノカグヤマノミコトが重要な存在として信仰されてきたのかがわかりますね。
産業や出世などの目標がある人は、アメノカグヤマノミコトが祀られている神社へ参拝に行ってみると良いでしょう。