長寿の神、タケウチノスクネを知っていますか?
タケウチノスクネは非常に長生きした人物で、その寿命から架空の人物なのではないかと言われるほどです。
また、補佐役として多くの活躍をしたとも言われています。
ここでは、そんなタケウチノスクネについて紹介していきましょう。
長寿の神について知り、より身近に感じてみてください。
タケウチノスクネとはどんな神様?
タケウチノスクネという神様のことを、あまり知らないという人もいるかもしれません。
一体どんな神様なのでしょうか。
実は、日本の歴史のきっかけになったと言っても過言ではない人物なのです。
詳しく見ていきましょう。
タケウチノスクネの神話
タケウチノスクネは、長寿の神としてその名をとどろかせています。
現在は人の寿命が昔と比べて延びていますが、100歳前後というイメージですよね。
しかしタケウチノスクネは、なんと360歳まで生きたそうです。
普通に考えたら、ありえない寿命と言わざるを得ません。
そのため、実在しなかったのでは…とささやかれています。
五代に渡り天皇家に仕えた
タケウチノスクネは、先ほども触れたように非常に長生きしています。
生きたいた360年のうち、220年間は天皇に仕えていたそうです。
最初に仕えたのは景行天皇で、そのあと成務天皇・仲哀天皇・応神天皇・仁徳天皇と続きます。
天皇に五代にわたって仕えた人物は、他にはいません。
長い期間仕え続けてきたことから、天皇家からの信頼がとても厚かったのでしょう。
日本初の宰相
タケウチノスクネは、日本で初めて宰相になった人物とも言われています。
宰相とは「天皇の補佐をする人物」のことで、現代では総理大臣のことをそう呼ぶこともあるようです。
タケウチノスクネは、天皇の補佐として様々な活躍をしました。
- 蝦夷の地の視察
- 政治の補佐
- 熊襲の征伐
- 新羅遠征を支える
- 香坂王、忍熊王の反乱討伐
上記は、すべて宰相として行ったことだと言われています。
タケウチノスクネの系譜
タケウチノスクネは天皇家に仕えていましたが、一体どんな家系に生まれたのでしょうか。
実はタケウチノスクネは、第八代・孝元天皇の孫にあたります。
母方の祖父が、天皇だったわけです。
そしてタケウチノスクネは長生きするなかで、七人の子供に恵まれます。
その七人の子供は、後々の有力豪族の祖とも言われているのです。
このことからタケウチノスクネの家系(系譜)は、武力だけでなく知力にも長けていたといえるでしょう。
タケウチノスクネの別名
タケウチノスクネという呼び方は、日本書紀に記載されているものになります。
古事記ではタケシウチノスクネと表記されていますね。
また、「コウラタマタレノカミ」という別名もあります。
多くの別名を持つ神様は多いですが、比較的呼び名が限られている神様だと言えるでしょう。
タケウチノスクネの様々な説
300年以上もの月日を生きたタケウチノスクネには、様々な説があります。
ここでは、そのうちのいくつかを紹介しましょう。
あっと驚くようなものも多いので、ぜひ目を通してみてください。
一円札に肖像画が使われた
今では全くなじみがありませんが、昔は一円札や五円札がありました。
タケウチノスクネは、一円札や五円札に肖像画が使われていたのです。
昔はどうだかわかりませんが、お札の肖像画に選ばれるためにはいくつかの条件を満たさなければなりません。
- 世界に誇れる人物である
- 知名度が高い
現代では、これらの条件を満たす人がお札の肖像画の候補にあがります。
長寿すぎることから架空の人物という見方もありますが、お札に使われるほど多くの人に知られていた人物でもあるのです。
長寿伝説
タケウチノスクネといえば、やはり長寿伝説が有名でしょう。
諸説ありますが、360歳まで生きたと言われているのです。
そのため、実在しないのではないかという説もあります。
しかし、「世の長人」「世の達人」と記載する書物もあることから実在していたとの見方が強いようです。
高良玉垂神と同一?
高良玉垂神は、コウラタマタレノカミと読みます。
タケウチノスクネは、このコウラタマタレノカミと同一なのではないかという説もあるのです。
コウラタマタレノカミは、古事記にも日本書紀にも登場しません。
一言で言うなら、謎に包まれた神なのです。
コウラタマタレノカミと同一の神にはいくつかの候補があるのですが、そのなかでも最も有力視されているのがタケウチノスクネだと言われています。
中央豪族の祖である
タケウチノスクネには、七人の子供がいます。
その子供たちは、すべて中央豪族の祖だと言われているのです。
- 葛城氏
- 平群氏
- 蘇我氏
- 巨勢氏
- 紀氏
- 波多氏
- 江沼氏
これらの先祖をたどると、全員タケウチノスクネにたどり着くのは凄いですね。
タケウチノスクネのご利益
武力にも知力にも長け、尚且つ長生きだったタケウチノスクネには多くのご利益があります。
以下のような願いがある人は、ぜひお参りしてみましょう。
健康長寿
タケウチノスクネには、360歳まで生きたという伝説があります。
それも寝たきりだったわけではなく、元気な状態で長生きしていたのです。
そのため、信仰すると健康に長生きできると言えるでしょう。
長生きしたいと思っている人は、ぜひ信仰してみてください。
商売繁盛
タケウチノスクネは、一円札や五円札の肖像画にもなっていました。
そのことから、商売繫盛のご利益は非常に高いものが期待できます。
お金は、商売繫盛の代名詞と言っても過言ではありません。
その肖像画に選ばれているのですから、信仰すればお金の面で良いことが起こるでしょう。
安産祈願
タケウチノスクネには、七人の子供がいます。
七人も健康な子供がいるというのは、とても素晴らしいことですよね。
たくさんの子供に恵まれたことから、安産祈願のご利益も期待できるのです。
開運厄除
開運厄除とは、「災いを除いて福を招く」ことを言います。
タケウチノスクネは、宰相として様々な活躍をしてきました。
その中には、国のために敵を征伐したことなども数多くあります。
こういった征伐は災いを鎮めるために行われてきたため、開運厄除も期待されているのです。
立身出世
立身出世とは、社会的に良い地位につき世間に有名になるという意味です。
タケウチノスクネはお札の肖像画になるなど、誰もが知る存在だったと言えるでしょう。
知らない人はいない、と言っても過言ではありません。
有名になりたい、社会的地位を得たいという人はぜひ信仰してみてください。
タケウチノスクネが祀られている神社
ではここで、タケウチノスクネが祀られている神社をいくつか紹介します。
タケウチノスクネに興味がある人は、ぜひ神社まで足を運んでみてはいかがでしょうか。
宇倍神社
住所 | 〒680-0151 鳥取県鳥取市国府町宮下651 |
電話番号 | 0857-22-5025 |
公式サイト | https://www.ubejinja.or.jp/ |
主祭神 | タケウチノスクネ |
ご利益 | 商売繫盛、健康長寿 |
鳥取県にある宇部神社は、お金に縁のある神社として全国からの参拝者が後を絶ちません。
神社の周辺には多くの駐車場も備わっているので、車で行けるのもありがたいですね。
例大祭は4月に行われています。
県指定無形民俗文化財になっている「麒麟獅子舞」は、この地域でしか見ることができません。
全国屈指の大神輿が担ぎ出されるところは、まさに圧巻です。
平塚八幡宮
住所 | 〒254-0041 神奈川県平塚市浅間町1-6 |
電話番号 | 0463-23-3315 |
公式サイト | http://www.hachiman.org/ |
主祭神 | 応神天皇、神功皇后、武内宿禰 |
ご利益 | 安産、厄除、家内安全、商売繫盛、交通安全、芸能上達 |
平塚八幡宮は敷地がとても広く、非常に見ごたえのある神社です。
自治体が行っている「湘南ひらつか七福神めぐり」の一か所にもなっています。
3月3日に行われている平塚弁財天社例祭は、多くの屋台なども並ぶ人気のお祭りです。
県内外から多くの人が訪れるお祭りなので、気になる人はぜひ足を運んでみましょう。
高良大社
住所 | 〒839-0851 福岡県久留米市御井町一番地 |
電話番号 | 0942-43-4893 |
公式サイト | http://www.kourataisya.or.jp/ |
主祭神 | 高良玉垂命 |
ご利益 | 厄除、延命長寿、交通安全、芸能上達 |
高良大社の社殿は国の重要文化財になっており、九州最大級の大きさを誇ります。
10月に行われている例大祭では、市指定文化財となっている「高良山獅子舞」「御井町風流」
などを見ることができますよ。
お祭りは3日間行われ、連日多くの参拝客で賑わっています。
例大祭の日の家庭での食事は、旬の魚を使ったカマスずしが一般的だそうです。
武雄神社
住所 | 〒843-0022 佐賀県武雄市武雄町大字武雄5327 |
電話番号 | 0954-22-2976 |
公式サイト | https://takeo-jinjya.jp/shrine/ |
主祭神 | 武内宿禰 |
ご利益 | 武運長久、開運、厄除け、延命長寿 |
武雄神社では、神社独自のお守りが人気です。
大楠の木にちなんだ「大楠守」には複数の種類があり、どれもここでしか手に入れることはできません。
お願いごとによって相応しいお守りが変わるので、ぜひ神社まで足を運んでみてください。
また、2月には歩射祭が行われています。
氏子が的を射る姿は、圧巻ですよ。
若松惠比須神社
住所 | 〒808-0024 福岡県北九州市若松区浜町1丁目2-37 |
電話番号 | 093-771-1156 |
公式サイト | https://wakamatsu-ebisu.jp/ |
主祭神 | コトシロヌシノカミ、オオヤマグイノカミ、オオクニヌシノカミ、 スサノオノミコト、アマテラスオオミカミ、タケウチノスクネ |
ご利益 | 縁結び、商売繫盛、家内安全、交通安全 |
若松恵比寿神社では、1月に「十日えびす祭」が行われています。
熊手や宝船などの縁起物があたる福引は、その年最初の運試しとして多くの人が参加していますよ。
例大祭は12月にあり、花火の合図でスタートする福神玉替が人気です。
県内外から訪れる多くの人で賑わっていますので、参加してみてはいかがでしょうか。
まとめ
長寿の神、タケウチノスクネについて紹介しました。
タケウチノスクネは360歳まで生き、その生涯の大半を天皇に仕える形で過ごしています。
宰相として多くの功績を残した人物でもあり、人々からも信頼されていたのでしょう。
ぜひタケウチノスクネを参拝し、そのご利益を感じてみてください。