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    火の神ヒノカグツチノカミ(火之迦具土神)とは?悲しい誕生物語や、祀られている神社を紹介!

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    火の神、ヒノカグツチノカミを知っていますか?
    ヒノカグツチノカミは生まれて間もなく死ぬという、非常に短い一生を終えた神様です。
    しかしそんな短期間のなかでも、多くの神様を生み出してきました。

    ここでは今の私たちの生活に欠かせない多くの神を誕生させたヒノカグツチノカミについて、
    詳しく紹介していきます。
    ぜひ最後まで読み進めてみてください。

    目次

    ヒノカグツチノカミってどんな神様?

    ヒノカグツチノカミを一言で表すと、「火の神様」です。
    火は私たちの生活に欠かせないものであるため、はるか昔から丁重に信仰されてきました。

    そんなヒノカグツチノカミですが、生まれてすぐに父親に殺されるという壮絶な人生を送ったことでも知られています。

    ヒノカグツチノカミの神話

    ヒノカグツチノカミは、イザナギとイザナミの「神生みの儀式」によって生まれました。
    しかし自分を産んだことがきっかけで、母親であるイザナミは死んでしまいます。

    妻を「殺した」ヒノカグツチノカミのことが許せず、ヒノカグツチノカミは父親に殺されるのです。
    その際、ヒノカグツチノカミの血や身体からは多くの神が誕生したと言われています。

    名前の由来

    ヒノカグツチノカミという名前は、まさに「火が燃えている神」であることを表しています。
    「カグ」は火が燃える様子を表す言葉ですから、身体じゅうが火で覆われていたのかもしれません。

    火を司る神として、相応しい名前と言えるでしょう。

    ヒノカグツチノカミの神格

    ヒノカグツチノカミは火を司る神さまですので、火にまつわる神格を持っています。

    • 火の神
    • 鍛冶の神
    • 防火の神
    • 陶器の神

    鍛冶や陶器などの「火を使う」ことだけでなく、防火もヒノカグツチノカミの管轄です。
    自然を司る神は、恩恵と厄難の両方の顔を持っているもの。
    ヒノカグツチノカミの神格に関しても、例外ではありません。

    ヒノカグツチノカミの別名

    「ヒノカグツチノカミ」という名前は、古事記での呼び名です。
    日本書紀などでは別の名前で呼ばれていることも珍しくありません。
    以下は、すべてヒノカグツチノカミのことを言っています。

    • カグツチ
    • ホムスビ
    • ヒノヤギハヤヲノカミ
    • カグツチノオオカミ
    • アキバミョウジン
    • アタゴミョウジン

    書物や神社などによって言い方が変わるのは、神様には割とよくある話です。

    ヒノカグツチノカミ誕生の物語

    ヒノカグツチノカミは火の神として生まれたものの、悲しい一生を終えることになります。
    ここでは、ヒノカグツチノカミの誕生についてその経緯を詳しく見ていきましょう。

    ヒノカグツチノカミの両親

    ヒノカグツチノカミの両親は、イザナギとイザナミです。
    このふたりの神は、国生み・神生みの神としても知られていますね。
    イザナギとイザナミは多くの神を誕生させますが、ヒノカグツチノカミもそのうちのひとりなのです。

    日本列島を作り、神を誕生させる「神生みの儀式」の中でヒノカグツチノカミは生まれました

    ヒノカグツチノカミの誕生

    ヒノカグツチノカミは、イザナミが産んだ最後の神です。
    ヒトは生物学的に女性しか子どもを産むことができませんが、神様は違います。

    イザナギが産んだ神もいるのですが、ヒノカグツチノカミは「イザナミが産んだ」最後の子です。
    ヒノカグツチノカミは火の神なので、生まれるときに母であるイザナミに大やけどを負わせてしまいました。
    このやけどがきっかけで、イザナミは命を落としてしまいます。

    つまり、ヒノカグツチノカミは生まれてから母親に会うことはなかったということです。

    悲劇の死

    ヒノカグツチノカミが生まれたことで母親は亡くなりますが、ヒノカグツチノカミ自身は健康そのものでした。
    しかし、そこに悲劇が襲います。
    なんと、父親のイザナギによって殺されてしまうのです。

    最愛の妻を失った悲しみに耐えられず、イザナギは妻の死の直接的な原因となったヒノカグツチノカミを斬り殺してしまいました。
    こうしてヒノカグツチノカミは、生まれて間もなく命を落とすことになるのです。

    ヒノカグツチノカミから生まれた神々

    父親によって命を奪われるヒノカグツチノカミですが、その際多くの神を誕生させています。

    自分の血液や肉体から神々を生み出す様は、まさに神生みの神と呼ばれた両親そのものでしょう。
    なんとヒノカグツチノカミは、殺された際に16人もの神を誕生させているのです。

    • クラオカミノカミ
    • クラミツハノカミ
    • イハサクノカミ
    • ネサクノカミ
    • イハツツノヲノカミ
    • ミカハヤヒノカミ
    • ヒハヤヒノカミ
    • タケミカヅチノヲノカミ
    • マサカヤマツミノカミ
    • オドヤマツミノカミ
    • オクヤマツミノカミ
    • シギヤマツミノカミ
    • ハヤマツミノカミ
    • クラヤマツミノカミ
    • ハラヤマツミノカミ
    • トヤマツミノカミ

    この16人の神さまは、ヒノカグツチノカミがいたという証だといえるでしょう。

    ヒノカグツチノカミの利益

    ヒノカグツチノカミは多くの神格を持つ神様なので、信仰することで様々なご利益を得ることができます。
    主な神格が「火」ですから、ご利益も火にまつわるものが多いです。

    ヒノカグツチノカミのご利益で気になるものがある人は、ぜひ信仰してみてください。

    火難除け

    ヒノカグツチノカミは火の神なので、信仰すると火から守ってもらえるようになるでしょう。
    火の神のような自然の神は、たいていの場合二面性を持っています。

    ヒノカグツチノカミも同様で、丁寧に信仰すれば火の怖さから守ってくれるようになるはずです。

    金運増大

    ヒノカグツチノカミは、自分が死ぬときに非常に多くの神を誕生させました。
    その神たちは鉱山や工業などに関係するものばかりです。

    産業が発展すれば、その分金運も高まることは言うまでもありません。
    火が燃える様子から金運が上がるという説もあるので、金運増大効果が期待できるでしょう。

    商売繁盛

    先ほども触れたように、ヒノカグツチノカミは多くの産業にまつわる神を生み出しました。
    そもそも火がなければ、人は生活することができません。

    火の恩恵を受けることで、私たちの生活が豊かになったと言っても過言ではないのです。
    このことから、ヒノカグツチノカミを信仰することで商売繫盛も期待できるでしょう。

    郷土守護

    火というのは、本来恐れの対象でもありました。
    なぜなら、火事で家を失ったり命を落とすこともあるからです。

    しかしその一方で、暖をとるなどの恩恵も受けてきました。
    丁寧に扱うことで、生活が豊かになるなど私たちを守ってくれる存在でもあるのです。

    陶器業守護

    「○○焼」などの焼き物は、火加減が非常に重要です。
    火加減ひとつで、割れてしまうなど使い物にならなくなることも珍しくありません。

    火の神であるヒノカグツチノカミを信仰することで、良い焼き物ができると昔から言われていました。
    そのため、陶器業の近くにはヒノカグツチノカミを祀る神社があることが多いようです。

    ヒノカグツチノカミが祀られている神社

    ではここで、ヒノカグツチノカミが祀られている神社をいくつか紹介します。
    悲惨な死に方をするなどかわいそうな神様でもありますが、私たちの生活には欠かせないもの。

    そんなヒノカグツチノカミを祀る神社を紹介しますので、気になる人はぜひ足を運んでみてください。

    愛宕神社

    神社情報
    住所〒616-8458 京都市右京区嵯峨愛宕町1
    電話番号075-861-0658
    公式サイトhttp://atagojinjya.jp/
    主祭神ホムスビノミコト
    ご利益火に関するもの、防火、商売繫盛、縁結び

    京都にある愛宕神社総本宮は、主に近畿地方を中心に全国からの参拝者が後を絶ちません
    毎年多くの参拝客で賑わっている神社だと言えるでしょう。

    特に千日通夜祭が行われるときは、毎年数万人もの人が訪れているのですよ。
    7月31日の夜から8月1日朝にかけてお参りをすると、千日分の「防火のご利益」が得られると言われています。

    秋葉山本宮秋葉神社

    神社情報
    住所〒437-0693 静岡県浜松市天竜区春野町領家841
    電話番号053-985-0111(上社)、053-985-0005(下社)
    公式サイトhttps://www.akihasanhongu.jp/index.html
    主祭神ヒノカグツチノオオカミ
    ご利益火防開運、家内安全、厄除開運、商売繫盛、工業発展

    静岡県にある秋葉神社では、毎年12月に「火まつり」が行われています。
    火まつりは、一言で言うなら火でお祓いをすることです。

    3人の神職による弓の舞・剣の舞・火の舞が行われ、火難を願います
    他の神社やお祭りではあまり見ることのできない「火まつり」ですから、ぜひ開催されているときに参拝してみてはいかがでしょうか。

    野宮神社

    神社情報
    住所〒616-8393 京都市右京区嵯峨野宮町1
    電話番号075-871-1972
    公式サイトhttp://nonomiya.com/index.html
    主祭神野宮大神
    ご利益鎮火勝運、芸能上達、子宝安産、商売繫盛

    京都府にある野宮神社は、源氏物語にも出てくる美しい描写が素晴らしいところです。
    野宮大黒天のそばにある「お亀石」をなでながらお祈りをすると、1年以内に願いが叶うという言い伝えもあります。

    また、源氏物語の1コマを描いたようなオリジナルのお守りもあり、野宮神社を訪れる人は後を絶ちません。
    10月に行われる齋宮行列は一般人や子供も参加することが可能なので、ぜひチェックしてみてください。

    花窟神社

    神社情報
    住所〒519-4325 三重県熊野市有馬町130
    電話番号0597-89-2881
    公式サイトhttps://www.hananoiwaya.com/index.html
    主祭神イザナミノミコト、カグツチノミコト
    ご利益安産、縁結び、商売繫盛

    花窟神社には、社殿はありません。
    自然崇拝を尊重した無社殿神社となっています。

    ご神体の磐は高さが45メートルもあり、浸食によって多くの穴が空いているところも自然のすごさを実感できるポイントでしょう。
    恋愛パワースポットとしても人気が高く、大勢の人で賑わっています。

    火男火売神社

    神社情報
    住所〒874-0844 大分県別府市火売8-1
    電話番号0977-66-2402
    公式サイトhttps://honomejinja.jp/
    主祭神イザナギノミコト、イザナミノミコト、カグツチノミコト
    ご利益厄除、商売繫盛、家内安全

    火男火売神社はその昔、鶴見岳が噴火した際にそれを治めた神社だと言われています。
    はるか昔から、火の神カグツチノオオカミを祀ってきたのでしょう。

    地元の人たちがお参りに訪れる、地域密着型の神社ですね。
    10月の第三土曜日には例大祭が行われており、多くの人が参拝に来られます。

    まとめ

    火の神ヒノカグツチノカミについて紹介しました。
    ヒノカグツチノカミは生まれてすぐに父親に殺されるという、非常に悲惨な人生を送ります。
    そんな中でも多くの人神を生み出し、私たちの生活を豊かにするきっかけを作ってくれました

    ヒノカグツチノカミに感謝すると同時に、ヒノカグツチノカミをお参りしてより身近に感じてみてください。

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