芸能の神様、アメノウズメノミコトを知っていますか?
アメノウズメノミコトは、芸能や舞踏の神様です。
自慢の踊りで世界を救ったという逸話もあるほど、技芸に長けていたのでしょう。
ここでは、そんなアメノウズメノミコトについて紹介していきます。
芸能分野に興味のある人や携わっている人は、ぜひ信仰してみてください。
アメノウズメノミコトってどんな神様?
アメノウズメノミコトは、天津神のひとりです。
多くの神話に登場する、比較的有名で知名度の高い神様と言えるでしょう。
日本最古の踊り子として、世界を救ったアメノウズメノミコト。
一体どんな神様なのか、詳しく見ていきましょう。
アメノウズメノミコトの神話
アメノウズメノミコトは、多くの神話に登場しています。
その中でも有名なのが、踊りで世界を救った話でしょう。
アマテラスオオミカミが天岩戸に隠れたことで、世界は闇に包まれました。
それにより世界には様々な禍が訪れていたそうです。
アメノウズメノミコトは得意の踊りでアマテラスオオミカミの興味を引き、世界を闇から救い出したと言われています。
神楽や俳優の源流
アメノウズメノミコトは、神楽や俳優の祖であると言われています。
神楽とは、神社で行われている「神に奉納する踊り」のことです。
神楽の語源は神座といい、降臨してきた神様を歓迎する目的で行われてきました。
神に祝福の踊りをささげてきた行為が、今でも神楽として残っているのです。
また、古事記や日本書紀では「俳優なして」という表現があります。
このことから、アメノウズメノミコトは俳優の祖であると言えるでしょう。
アメノウズメノミコトの神格
アメノウズメノミコトには、非常に多くの神格があります。
踊りに長けている神さまですので、以下のような神格を持っていると言えるでしょう。
- 芸能の神
- 芸術の神
- 舞楽の神
- 俳優の神
- 鎮魂の神
今でいうタレントやアーティスト、エンターテイナーなどの祖というとイメージしやすいかもしれません。
アメノウズメノミコトの別名
アメノウズメノミコトに限ってではありませんが、日本の神様には多くの呼び名があります。
アメノウズメノミコトも同様、いくつかの別名があるので紹介しましょう。
- サルメノキミ
- オオミヤノメノカミ
- ミヤビノカミ
- ウズメノミコト
これらはすべて、アメノウズメノミコトのことを言っています。
書物によって呼ばれ方が変わるのは面白いですね。
アメノウズメノミコトが出てくる神話
アメノウズメノミコトが登場する神話はたくさんあります。
つまり、アメノウズメノミコトはそれだけ重要な役割を担っていたのだと言えるでしょう。
ここでは、アメノウズメノミコトが登場する神話を3つ紹介します。
天岩戸神話
天岩戸事件とは、アマテラスオオミカミが天岩戸に隠れてしまった一連の騒動のことを言います。
アマテラスオオミカミは弟であるスサノオノミコトの暴挙におびえ、天岩戸に隠れてしまいました。
太陽の神様であるアマテラスオオミカミが隠れたことで世界は闇に包まれ、様々な禍が訪れたそうです。
このままでは世界が滅亡してしまうと感じた神々は、何とかしてアマテラスオオミカミを天岩戸から出そうとします。
そこで一躍を買って出たのが、アメノウズメノミコトです。
アメノウズメノミコトは半裸になって踊り、神々の大きな笑いを誘ってアマテラスオオミカミの興味を引きました。
結果、天岩戸の扉から顔を出したところを引きずり出されたと言われています。
アメノウズメノミコトがいなければ、世界は闇に包まれたままだったのかもしれません。
天孫降臨
天孫降臨は、天津神であるニニギノミコトが地上に降り立ち葦原中国を統一するお話です。
ニニギノミコトが地上に降り立つとき、地上からの怪しい光に気づきます。
そのことをアマテラスオオミカミに報告すると、アメノウズメノミコトが光の正体を暴くように命じられました。
アメノウズメノミコトは、ニニギノミコトのお供として天孫降臨にも関わっているのです。
そのなかで魚たちを集め、ニニギノミコトに仕えるかどうかを尋ねるシーンがあります。
このとき、何もしゃべらなかったナマコに腹を立てて口を切り裂いたそうです。
猿女君
ニニギノミコトの天孫降臨の際、怪しい光の正体を探るようにアメノウズメノミコトは命じられます。
アメノウズメノミコトは服をはだけて半裸になり、魅惑の踊りをしながら光の正体に近づいていきました。
そこで、光の正体が「サルタヒコ」によるものだと判明するのです。
サルタヒコはニニギノミコトが無事に天孫降臨を全うできるよう、葦原中国までの道案内をしていました。
光の正体を暴いたアメノウズメノミコトはサルタヒコの名を譲り受け、猿女君(サルメノキミ)と呼ばれるようになったのです。
アメノウズメノミコトのご利益
アメノウズメノミコトは、主に踊りや芸能の分野で活躍した神様です。
そのため、信仰すると得られるご利益も芸能分野のものが多いでしょう。
ダンスや芸術などに携わっている人は、ぜひお参りしてみることをおすすめします。
技芸上達
アメノウズメノミコトは、日本最古の踊り子です。
アマテラスオオミカミを誘い出し、世界を救ったほどの踊り手は他にはいないでしょう。
そのため、信仰すると技芸が上達すると言われています。
日本舞踊などはもちろん、ダンスなどをしている人にもおすすめです。
縁結び
アメノウズメノミコトは、天孫降臨の際に知り合ったサルタヒコと結婚します。
光を照らす者の正体を突き止めるための使命中に知り合ったサルタヒコと結婚したのは、まさにふたりに縁があったからだと言えるでしょう。
天津神と国津神を結んだ神様とも言えます。
アメノウズメノミコトとサルタヒコは一緒に祀られていることも多いので、ぜひ足を運んでみてください。
夫婦和合
夫婦和合というのは、性行為を伴う夫婦円満のことを言います。
夫婦の営みがなくても仲良く過ごすことはできますが、子供が欲しいと思っている場合は問題です。
子宝に恵まれたいと願っている人は、アメノウズメノミコトをお参りしてみると良いかもしれません。
開運招福
「笑う門には福来る」という言葉があります。
アメノウズメノミコトは、自分の踊りや行動などによって多くの人を笑わせてきました。
人々を笑顔にしてきたアメノウズメノミコトですから、開運招福のご利益は非常に強いといえるのです。
武芸全般守護
武芸とは、剣術や馬術などの武道のことを言います。
アメノウズメノミコトは芸能の神様ですが、天孫降臨の際にはナマコの口を剣で切り裂きました。
いざというときには剣を使うこともためらわないアメノウズメノミコトですから、武芸全般のご利益も得られるのでしょう。
アメノウズメノミコトが祀られている神社
ではここで、アメノウズメノミコトが祀られている神社をいくつか紹介します。
アメノウズメノミコトは猿女君として、サルタヒコとともに祀られていることが多いです。
芸能の神様としての神格を持っていますので、芸術分野の願いがある人は訪れる価値ありと言えます。
ぜひ、足を運んでみてください。
芸能神社
住所 | 〒616-8348 京都市右京区嵯峨朝日町23番地 |
電話番号 | 075-861-0039 |
公式サイト | https://www.kurumazakijinja.or.jp/geinoujinja.html |
主祭神 | アメノウズメノミコト |
ご利益 | 芸能、芸術分野での活躍 |
芸能神社はその名の通り、多くの芸能人やアーティストに信仰されている神社です。
芸名や劇団名などを記した朱塗りの玉垣の数は、なんと4千以上もあります。
芸能人のブログやテレビ番組などで紹介されることも多く、参拝者は後を絶ちません。
芸術分野で活躍したい人や結果を出したい人は、訪れてみると良いでしょう。
烏森神社
住所 | 〒105-0004 東京都港区新橋2-15-5 |
電話番号 | 03-3591-7865 |
公式サイト | http://karasumorijinja.or.jp/ |
主祭神 | 倉稲魂命・天鈿女命・瓊々杵尊 |
ご利益 | 商売繁盛、技芸上達、家内安全、諸事円満、福貴繁栄、必勝祈願成就 |
烏森神社では、毎年5月の連休に例大祭が行われています。
「夏祭りのはしり烏森祭」は全国的にも有名で、全国各地から参拝者が訪れているのです。
烏森神社のある「心願色みくじ」は、願いや占いたいものによって色分けされたおみくじのことを言います。
同じ色のペンで自分の願いを書くという、ただ引くだけのおみくじではありません。
独自の取り組みが多いのも、烏森神社の特徴と言えるでしょう。
鈿女神社
住所 | 〒391-0013 長野県茅野市宮川4508-7 |
電話番号 | 記載なし |
公式サイト | https://www.okame.info/index.html |
主祭神 | アメノウズメノミコト |
ご利益 | 商売繫盛、金運上昇 |
長野県にある鈿女神社は、知る人ぞ知る小さな神社です。
百年の歴史があり、お祭りは地元の人たちが一丸となって盛り上げてくれています。
「鈿女」という漢字を分解すると「カネ・タ・メ」になることから、金運上昇や商売繫盛のご利益もあるそうです。
向かい側にあるお味噌屋さんも絶品なので、鈿女神社に行った際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
佐留女神社
住所 | 〒516-0026 三重県伊勢市宇治浦田2-1-10 |
電話番号 | 0596-22-2554(代表) |
公式サイト | https://www.sarutahikojinja.or.jp/sarume/ |
主祭神 | アメノウズメノミコト |
ご利益 | 良縁成就、技芸上達 |
佐留女神社は、猿田彦神社の境内社にあります。
8月に行われている例祭では、たくさんの提灯が並び普段とは異なる雰囲気を感じることができるでしょう。
アメノウズメノミコトにちなみ、お祭り内では華やかな舞台も行われています。
佐留女神社で行われる年に一度のお祭りなので、ぜひ参拝に行ってみてください。
荒立神社
住所 | 〒882-1101 宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井667 |
電話番号 | 0982-72-2368 |
参考サイト | https://takachiho-kanko.info/sightseeing/7/ |
主祭神 | サルタヒコノミコト、アメノウズメノミコト |
ご利益 | 夫婦円満、縁結び、諸願成就 |
荒立神社は、アメノウズメノミコトとサルタヒコノミコトが結婚してから住んだ場所だと言われています。
荒木を使って住居を作ったことから、荒立神社と名付けられました。
こじんまりとした小さな神社ですが、トイレや駐車場もあるのでアクセスは良好です。
ふたりで仲睦ましく生活していた地であることから、縁結びのご利益のある神社として地元では人気スポットとなっています。
まとめ
芸能の神様、アメノウズメノミコトについて紹介しました。
アメノウズメノミコトは踊りや人を笑わせることに長けており、日本の踊りや俳優の祖とも言われています。
日本のエンターテインメントは、アメノウズメノミコトから始まったと言っても過言ではないでしょう。
そんなアメノウズメノミコトをお参りし、笑いや娯楽をより身近に感じてみてください。