縁結びの神ククリヒメ(菊理姫)とは？関わりの深い神や、祀られている神社を紹介！

強い縁結びの力を持つ神、ククリヒメを知っていますか？
ククリヒメは、日本神話などにはほとんど登場しません。

そんな謎多き神様なのですが、重要な役割を担っていたと言われています。
ここでは、ククリヒメがどんな使命を果たしたのかを詳しく見ていきましょう。

多くのご利益がある神様なので、ぜひ信仰してみてください。

ククリヒメってどんな神様？

ククリヒメは、日本神話に登場することはほとんどありません。
そのため、存在そのものが謎に包まれていると言えるでしょう。

それにも関わらず重要な役割を担っていたククリヒメについて知り、より身近に感じてみてください。

ククリヒメの神話

ククリヒメは、古事記ではなく日本書紀異伝に登場します。
イザナギは死んだイザナミを追いかけて黄泉の国に行ったものの、妻の変わり果てた姿を見て逃げ出してしまいました。

そんな現世と黄泉の国の狭間で言い争いをしていたふたりの間に突如現れ、仲裁に入ったのがククリヒメです。
ククリヒメの仲裁によって、イザナギノミコトは無事に現世に戻ることができたと言われています。

イタコの祖神

イタコは、死者の霊と交信をして死者の言葉を生者に伝える役割を担っています。
死者の霊を自分に憑依させる人もいますよね。

実はククリヒメは、そんなイタコの祖だと言われているのです。
ククリヒメは死者であるイザナミノミコトと生者であるイザナギノミコトの間を取り持つため、どこからともなく現れました。

死者と生者の間に入るのは、今のイタコと確かに似ています。
このことから、ククリヒメはイタコの祖だと言われているのです。

白山の守護神

神話では夫婦喧嘩の仲裁役を全うしたククリヒメは、全国の白山神社に祀られています。
ククリヒメの正体は謎に包まれているものの、白山神社に祀られていることから「シラヤマヒメノカミ」と同一ではないかと言われているのです。

白山神社の主祭神はシラヤマヒメノカミと記載されていますので、ククリヒメは白山を守る神と言って間違いないでしょう。

ククリヒメの神格

ククリヒメには、どんな神格があるのでしょうか。
謎多き神様だからこそ、ククリヒメはほかの神様と同一視されることも多いです。
そのため、ククリヒメには以下のような神格があります。

• 白山の神
• 農業の神
• 延命の神
• 縁結びの神
• 穢れを祓う神
• 和合の神

イザナギノミコトとイザナミノミコトの仲を取り持ったというエピソードから、縁結びや和合の神としての神格を持っているのです。

ククリヒメの別名

ククリヒメは、日本神話異伝に登場する以外には登場しません。
そのため、別名も他の神様と比べると少ないと言えるでしょう。

白山の守護神として祀られていることから、「シラヤマヒメノミコト」「シラヤマヒメノカミ」などと呼ばれていることもあるようです。

ククリヒメと関わりの深い神

ではここで、ククリヒメと関わりのある神様について紹介します。
ククリヒメは謎が多く、未だに分かっていないことも多いです。

だからこそ、他の神と同一視されるなど深い関わりのある神が複数存在するのでしょう。

セオリツヒメ

セオリツヒメは、ククリヒメと同様謎多き神様として知られています。
古事記や日本書紀には出てきません。

セオリツヒメが出てくるのは、禊の儀式で唱える祝詞のみ。
祝詞の中に記載されている以外は、どの書物にも登場していないのです。

一方ククリヒメは、黄泉の国から現世に戻るイザナギノミコトに「現世に戻ったら穢れを祓う」ように言いました。
禊の儀式をするように助言したのはククリヒメはであり、「禊」という共通点があることからふたりは同一神ではないかと言われているのです。

イザナミノミコト

イザナミノミコトは死んで黄泉の国に行きますが、自分に会いに来たイザナギノミコトとけんかをしてしまいます。
そのときに話を聞いて仲を取り持ってくれたのがククリヒメです。

イザナミノミコトにとって、ククリヒメは「夫と仲直りさせてくれた恩人」と言えるでしょう。
このことからククリヒメとイザナミノミコトは一緒に祀られていることも多く、一部ではククリヒメとイザナミノミコトを同一として扱うところもあるようです。

弁財天

七福神のひとりである弁財天は、イチキシマヒメと同一と言われています。
そしてイチキシマヒメとセオリツヒメは、同一という説もあるのです。

先ほど、セオリツヒメとククリヒメは同一という話をしました。
このような繋がりから、一部では弁財天とククリヒメが同じ神様として扱われているところもあるようです。

龍神

ククリヒメと龍神の関係は、ククリヒメが白山の守護神であることと関係しています。
白山は農耕に必要不可欠な水が湧き出る場所として、古くから信仰されてきました。

水のあるところは豊穣をもたらす場所でもあります。
そして白山は水源を司る龍神がいるとして、多くの人に信仰されていた場所でもあるのです。

このようなことから、白山の守護神であるククリヒメと龍神はいつからか同一視されるようになりました。

ククリヒメのご利益

ククリヒメは複数の神様と同一視されていることから、非常に多くのご利益を持っています。
最も代表的なのは、やはり縁結びです。

縁結びのほかにもククリヒメには数々のご利益がありますので、詳しく見ていきましょう。

縁結び

恋愛成就に関して、赤い糸の話をよく聞きますよね。
ククリヒメの名前は「糸をくくる」からきているという説もあり、縁結びのご利益は非常に高いです。

また、口論をしていたイザナギとイザナミの仲裁に入ったこともあります。
ふたりの仲を取り持つ＝縁を結ぶ、と言われるようになったのでしょう。

五穀豊穣

ククリヒメは、白山の守護神でもあります。
白山は良い水が出る場所で、豊穣をもたらすといわれてきました。

昔の日本は農業が生活の基盤であり、水は重要なものとして崇められてきたのです。
ククリヒメはそんな白山と深い関わりがありますから、参拝すると五穀豊穣のご利益も得られるでしょう。

安産・子宝

子宝に恵まれるためには、夫婦仲が良いことが欠かせません。
ククリヒメは良縁を結んだり夫婦喧嘩を仲裁してきたことから、安産や子宝のご利益もあります。

妊娠中の人はもちろん、そろそろ子供が欲しいと思っている人はぜひ参拝してみてください。

厄除け

ククリヒメは、セオリツヒメや龍神と同一として扱われることもあります。
セオリツヒメはケガレを祓う禊に関係していますし、龍神も同様です。

つまり、ククリヒメには浄化や厄除けの効果もあると言えるでしょう。
あまりよくないことが続いている人や、安全に過ごしたい気持ちの強い人はお参りしてみることをおすすめします。

開運招福

開運招福とは、文字通り「運を開いて福を招く」という意味です。
今現在あまり運が良くないという人は、まずはその「良くない運・縁」を断ち切らなければなりません。

ククリヒメは縁結びの神様ですが、同時に縁切りの神様でもあります。
縁切りと聞くと不吉なイメージがありますが、決してそんなことはありません。

悪い縁を切ることが、良い運や福を招くためには欠かせないからです。

ククリヒメが祀られている神社

ではここで、ククリヒメが祀られている神社をいくつか紹介します。
ククリヒメは縁結びの神様としての信仰が厚いので、恋愛のパワースポットになっていることが多いです。

ククリヒメが祀られている神社を知り、興味がある人は参拝に足を運んでみてください。

白山比咩神社

白山比咩神社は、自然に囲まれた壮大な敷地を持つ非常に大きな神社です。
広い駐車場もあるので、車での参拝も問題ありません。

1年を通して様々な神事が行われていますが、5月にある例大祭は全国各地から参拝者が訪れ大変な賑わいを見せています。
例大祭はゴールデンウイークに行われていますから、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

白山神社

新潟県にある白山神社は、なんと千年以上の歴史を持っています。
縁結びとして有名で、良縁を求めて多くの人が参拝に訪れているのです。

4月に行われている春まつりは、満開の桜と多くの出店が映える白山神社の風物詩。

多くのろうそくに願いを込めるイベントは、55名限定ですが無料で参加することができるのでチェックしてみてくださいね。

芦屋神社

芦屋神社は、古くから農業や農耕の地として信仰されてきました。
今でも、五穀豊穣など多くの農耕に関する神事が行われています。

10月の例祭では町中をお神輿（だんじり）が練り歩き、見ているだけでも圧巻でしょう。
また、ここでしか手に入らない「夫婦守り」や「花むすび守り」は見た目も可愛く女性に人気となっています。

高浜神社

高浜神社はアマテラスオオミカミやククリヒメを始めとする多くの神様を祀っており、非常に多くのご利益が得られることでも知られています。
年間を通して多くの神事が行われていますが、一般人も参加できるイベントとして人気なのが「春祭り神輿渡御」です。

神輿行列に参加できる人をホームページで募っていますので、興味のある人は応募してみてはいかがでしょうか。
春祭りはゴールデンウイークに行われていることもあり、県内外から多くの人が集まる人気のイベントです。

まとめ

縁結びの神様であるククリヒメについて、紹介しました。
ククリヒメは「縁をくくる神様」として、多くの人に信仰されている神様です。

特に縁結びの神様としての神格が強いので、祀られている神社は恋愛のパワースポットになっていることも多いでしょう。
ククリヒメは私たちの願いを叶えてくれる身近な神様なので、ぜひ参拝に足を運んでみてください。