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    タマヨリヒメ(玉依姫命)とは?神話や伝説、祀られている神社を紹介!

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    霊や神が宿る、寄り付くと言われる女神「タマヨリヒメ」を知っていますか?
    この記事では、タマヨリヒメの神話や伝説について紹介していきます。

    実はタマヨリヒメは、ひとりの女神を指す名前ではありません。
    そのことについても詳しく説明していきますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

    目次

    タマヨリヒメってどんな神様?

    タマヨリヒメとは、一体どんな神様なのでしょうか。
    タマヨリヒメは古事記にも日本書紀にも登場する女神ですが、様々な場面で登場しています。

    まずはタマヨリヒメについて知ることから始めましょう。

    タマヨリヒメとは

    タマヨリヒメというのは、タマ(霊)がヨリつく(依りつく)ヒメ(女神)という意味です。
    女神の名前というわけではなく、神に仕える巫女のことを「タマヨリヒメ」と呼んでいます。

    つまり、神話の中にタマヨリヒメは複数存在しているのです。
    多くの神話に登場するタマヨリヒメですが、トヨタマヒメの妹というイメージが一番強いかもしれません。

    神武天皇の母

    日本神話では、日本で初めての天皇になったのは神武天皇だと言われています。
    そして、その神武天皇の母であるのがタマヨリヒメです。

    タマヨリヒメは姉であるトヨタマヒメの息子と結婚し、4人の息子をもうけました。
    そのうちの末っ子が、後の神武天皇です。

    このことから、タマヨリヒメは神と人を結びつける役割を担った人だと言えるでしょう。

    水と深い関係がある

    タマヨリヒメは、海神の娘のひとりです。
    水の女神であるトヨタマヒメを姉に持ち、タマヨリヒメ自身も水と深い関わりを持っています。

    そもそも海神の娘ですから、水と関わりがあることは明白でしょう。
    元々「水」は、生命の源として欠かせないものです。

    水と関わりのある女神は女性の生殖力を表しており、豊穣のシンボルとして崇められてきました。
    タマヨリヒメも、そのひとりだったと言って間違いありません。

    タマヨリヒメの神格

    海神の娘であるタマヨリヒメには、以下のような神格があります。

    • 海の神
    • 水の神
    • 聖母神
    • 蛇神(龍神)

    タマヨリヒメは海や水を司るため、それらにまつわる神格を持っています。
    また、タマヨリヒメは初代天皇でもある神武天皇の母親です。

    神と人との繋がりを作ったことから、聖母神とも呼ばれているのでしょう。

    タマヨリヒメの別名

    タマヨリヒメというのは、冒頭でも触れたように人の名前(固有名詞)ではありません。
    今でいうと「巫女」などのことをタマヨリヒメと呼んでいました。

    そのため書物によっては様々な場面で登場しています。
    そんなタマヨリヒメは、以下のような名前で呼ばれることもあるでしょう。

    • タマヨリヒメノミコト
    • タマヨリビメ
    • イキタマヨリビメノミコト

    霊が寄り付く女神のことを表す呼び名なので、そこまで異なる呼び方はありません。

    タマヨリヒメに関わる神話と伝説

    ではここで、タマヨリヒメに関わる神話と伝説について紹介します。
    タマヨリヒメは複数の神話に登場するため、たくさんの伝説にも関係していると言えるでしょう。

    どんな神話や伝説があるのか、詳しく見ていきます。

    タマヨリヒメのお産

    タマヨリヒメは姉であるトヨタマヒメの息子、ウガヤフキアエズと結婚します。
    そして4人の男の子を出産しました。

    姉のトヨタマヒメは出産のために陸地に上がり、ヤヒロノオオワニの姿になったところを夫に見られてしまいます。
    それがきっかけで夫と距離を置くことになったのですが、タマヨリヒメの出産はどうだったのでしょうか。

    結論を言うと、タマヨリヒメの出産がどんな風だったのかは分かりません。
    しかしトヨタマヒメのようなエピソードはないので、スムーズに出産できた可能性が高いでしょう。

    豊玉姫の子を育てる

    タマヨリヒメの姉トヨタマヒメは、出産後子どもを置いて海に帰ってしまいます。
    しかし子どもの様子が気になり、妹であるタマヨリヒメに子どもの面倒を見てほしいと頼みました。

    タマヨリヒメは、姉の子どもの世話をするために陸地に上がってきたというわけです。
    トヨタマヒメの子どもを育てるという任務を全うし、その後はその子どもと結婚しています。

    丹塗矢伝説

    丹塗矢伝説は、大年神の子どもであるオオヤマクイノカミが丹塗矢に化身するお話です。
    オオヤマクイノカミは丹塗矢に化身し、嫁を見つけて自分の子どもを産ませてきました。

    ある時タマヨリヒメが水浴びをしていると、川から丹塗矢が流れてきます。
    この丹塗矢はオオヤマクイノカミの化身なのですが、タマヨリヒメはそのことに気づいていません。

    矢を拾って寝室に飾っておいたところ、いつの間にか妊娠していました。
    父親が分からないまま生まれた男の子は、カモワケイカヅチノミコトと名付けられたそうです。

    オオヤマクイノカミは丹塗矢になって子どもを産ませているわけですが、誰でも妊娠させられるわけではありません。
    妊娠するのは神霊が憑依する神聖な巫女だけなので、この女性がタマヨリヒメと呼ばれているのでしょう。

    龍神を束ねる

    タマヨリヒメは、海や水を司る神様です。
    同じ神格を持つ神様には、龍神がいます。

    一説によると、トヨタマヒメとタマヨリヒメは龍神の娘だと言われているのです。
    そのため、タマヨリヒメ自身も龍神として崇められてきました。

    そしていつからか、龍神を束ねる存在になったそうです。

    タマヨリヒメのご利益

    タマヨリヒメは海の神格を持ち、尚且つ霊を憑依させることのできる女神です。
    そのため、以下のようなご利益があると言えます。

    自分の叶えたい願いに当てはまるものがある人は、ぜひタマヨリヒメを信仰してみてはいかがでしょうか。

    子宝

    丹塗矢伝説でのタマヨリヒメは、神と結婚し神の子を宿しています。
    もともと水の神格を持つ女神は、生殖力が高く子宝に恵まれやすい貴重な存在です。

    タマヨリヒメも例外ではありませんから、信仰すれば子宝のご利益を得ることができるでしょう。
    子どもを望んでいる人は、ぜひお参りしてみてください。

    安産守護

    タマヨリヒメはウガヤフキアエズと結婚し、4人の男の子をもうけています。
    出産は特に難なく迎えたことが想像できるため、おそらく安産だったのでしょう。

    子宝同様、安産守護もタマヨリヒメのご利益として有名です。

    豊作豊漁

    農業も漁業も、水がなければ何もできません。
    タマヨリヒメは海神の娘で、水の神格を持っています。

    そのため、豊作や豊漁といったご利益も期待できます。
    農業や漁業に携わっている人は特に、信仰するべきだと言えるでしょう。

    悪病災難除け

    タマヨリヒメは、神や霊が寄り付く特別な存在の女神です。
    ほかの女神にはないものを持っている、神聖な女神と言えます。

    そんなタマヨリヒメですから、悪病や災難からあなたを守ってくれるでしょう。
    悪病災難除けの効果は、非常に高いと言っても過言ではありません。

    商売繁盛

    はるか昔、日本の商業は農業が主流でした。
    農業がうまくいかなければ、生活すらままならなかったのでしょう。

    そのためには水が必要不可欠ですので、タマヨリヒメのような水の神は崇められていました。
    つまり、タマヨリヒメを信仰すると商売繫盛の効果も得られるのです。

    タマヨリヒメが祀られている神社

    ではここで、タマヨリヒメが祀られている神社をいくつか紹介します。
    タマヨリヒメが祀られている神社は、海の近くにあるものが多いです。

    興味のある神社がある人は、ぜひお参りに足を運んでみてください。

    下鴨神社

    神社情報
    住所〒606-0807 京都市左京区下鴨泉川町59
    電話番号075-781-0010
    公式サイトhttps://www.shimogamo-jinja.or.jp/
    主祭神カモタケツヌミノミコト、タマヨリヒメノミコト
    ご利益厄除、縁結、子宝、安産、子育、交通安全

    下鴨神社は、正式には賀茂御祖神社といいます。
    団体限定ですが、十二単衣の着付けなどを体験できるのも下鴨神社の特徴でしょう。

    他の神社でもなかなか経験できることではないので、ぜひ予約して体験してみてください。

    宮﨑神宮

    神社情報
    住所〒880-0053 宮崎県宮崎市神宮2丁目4-1
    電話番号0985-27-4004
    公式サイトhttps://miyazakijingu.or.jp/
    主祭神神武天皇
    ご利益夫婦円満、子育て、子宝、海上安全

    宮崎神宮は、初代天皇である神武天皇を主祭神として祀っています。
    日々の朝夕のお日供祭や例大祭など、年間を通して約1000回もお祭りが行われていることが特徴です。

    これだけ多くのお祭りを行っているため、いつ行っても何らかのお祭りが行われているでしょう。
    自然が豊かなところにあるので、日常生活の疲れを癒したい人にもおすすめです。

    玉前神社

    神社情報
    住所〒299-4301 千葉県長生郡一宮町一宮3048
    電話番号0475-42-2711
    公式サイトhttps://www.tamasaki.org/index.htm
    主祭神タマヨリヒメノミコト
    ご利益縁結び、子授け、安産

    玉前神社は、黒漆塗りの権現造りという珍しい社殿が特徴です。

    ご神水やご神砂は24時間自由にとることができますが、入れ物はありません。
    玉前神社を訪れる際には、これらを持ち帰る入れ物を用意しておきましょう。

    また、「月日守」や「転ばぬ守」などの他にはないお守りも魅力です。

    青海神社

    神社情報
    住所〒959-1300 新潟県加茂市大字加茂229番地 
    電話番号 0256-52-0671 
    公式サイトhttps://aomi-jinjya.or.jp/
    主祭神シイネツヒコノミコト、オオクニタマノミコト
    ご利益安産、子育て、五穀豊穣、厄除け

    青海神社の社殿は、長い階段をのぼった先にあります。
    そのため、お参りに行くときにはスニーカーなどの歩きやすい靴で行くと良いでしょう。

    秋季大祭や花火大会など、季節ごとのイベントも多いです。
    1年を通して多くの参拝客が訪れている、非常に人気の高い神社なのでぜひ一度足を運んでみてください。

    玉井宮

    神社情報
    住所〒703-8281 岡山県岡山市中区東山1-3-81
    電話番号086-272-0407
    公式サイトhttps://www.tamaigutousyouguu.com/
    主祭神豊玉比売命、彦火火出見命、玉依比売命、徳川家康公
    ご利益安産、厄除開運、交通安全、家内安全、商売繫盛

    玉井宮は安産のご利益が有名で、多くの人が参拝に訪れています。
    ただし、神社の前の車道は昇り降り共に急勾配なので気を付けましょう。

    毎月1日に行われる月次祭では、朝早くに行くと無料接待してもらえるという特典もあります。
    ぜひ早起きをしてお参りに行き、ご神徳にあやかってみてはいかがでしょうか。

    まとめ

    タマヨリヒメについて、紹介しました。
    一般的に知られているタマヨリヒメは海神の娘で、水を司る女神です。

    神や霊が寄り付く特別な存在であり、神と人を結びつける役割を果たしました。
    安産や子授けのご利益が非常に強い神様なので、気になる人はぜひお参りに行ってみてください。

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