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    酒の神スクナビコナノカミ(少名毘古那神)とは?国造りの神話や祀られている神社を紹介!

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    スクナビコナノカミは、日本神話に登場する神様です。
    オオクニヌシノミコトと共に、国造りをしたといわれています。

    体はとても小さく、一寸法師のモデルだという説も。
    この記事では、小さな体で大きな成果を残したスクナビコナノカミについて解説していきます。
    神話や祀られている神社について紹介していくので、最後までご覧ください。

    目次

    スクナビコナノカミはどんな神様?

    スクナビコナノカミは、オオクニヌシノミコトと共に国造りをした神様です。
    小さな体に詰まった豊富な知識を広め、豊かな国造りに貢献しました。

    「酒の神様」「薬の神様」「温泉の神様」と多くの顔を持つ、スクナビコナノカミについて紹介していきましょう。

    スクナビコナノカミの神話

    出雲の御大(現在の美保)の岬に座り、これからの国造りをどうしようかと考えていたオオクニヌシノミコト。

    すると蛾の皮の着物を着た小さな神様が、
    天(あめ)のガガイモという楕円の実をくり抜いた舟にのってやってきました。

    オオクニヌシノミコトが名を尋ねますが、小さな神様は何も答えません。

    まわりにいる神様もこの小さな神様が誰なのか知らないと言いますが、
    ヒキガエルの神様は「カカシの神様ならきっと誰か知っている」と教えてくれました。

    カカシは昼も夜も立ち続けることから物知りとされていた神様なのです。

    カカシの神様は小さな神様は、高天原のカムムスヒノカミの御子であるスクナビコナノカミだと教えてくれました。

    カムムスヒノカミに尋ねると、小さな神様は自分の指の間から抜けていった子だと言います。

    スクナビコナノカミはオオクニヌシノミコトと共に、
    葦原中国(あしはらなかつくに)を造る手伝いをするだろうとのこと。

    ここからスクナビコナノカミとオオクニヌシノミコト二人の、豊穣の国造りが始まっていくのです。

    *日本書紀の中では海からやって来るエピソードは同じですが、
    タカミムスビノカミの御子であるという説もあります。

    オオクニヌシノカミと国造り

    二人仲良く国造りをしていくスクナビコナノカミと、オオクニヌシノミコト。

    播磨風土記には二人の我慢比べの逸話や、農作をするエピソードも書かれています。

    進んだ医療や農業の知識が豊富なスクナビコナノカミは、
    オオクニヌシノミコトと共に二人で種まきをし農耕を教えました。

    旅をしながら膨大な知識で多くのことを広めたことで暮らしは豊かになり、
    灌漑を進めたことにより悩まされていた洪水もなくなったとのことです。

    スクナビコナノカミ常世の国へ帰る

    二人仲良く、国造りに精を出していたスクナビコナノカミとオオクニヌシノミコト。

    ある日突然スクナビコナノカミは「常世(とこよ)の国に帰る時が来た」と、
    海の向こうにある常世の国へと渡ってしまいました。

    日本神話で常世の国とは海の彼方にあるとされている理想郷であり、不老不死や若返りが叶う国とされています。

    一人残されたオオクニヌシノミコトは、突然のことにとても嘆き途方に暮れたそうです。

    オオモノヌシの出現

    オオモノヌシは、三輪山に鎮座する精霊の神様です。

    スクナビコナノカミが去り、これからの国造りを一人でどうしようかと途方にくれていたオオクニヌシノミコト。

    そんなオオクニヌシノミコトの前に、光り輝く神様がやってきました。

    神様は、私を祭ってくれたら一緒に国造りをしてくれるといいます。

    どのように祭ればいいのか尋ねると、東の山の上に祭って仕えてほしいと言いました。

    光り輝く神様であるオオモノヌシは、こうして三輪山に鎮座することとなるのです。

    スクナビコナノカミの別名

    一般的なスクナビコナノカミの他の呼び名はスクナヒコナ、又はスクナビコナです。

    別名として、スクナミカミとも呼ばれます。

    一説では大きい神という意味のオオナに対し、スクナには小さい神という意味があるそうです。

    スクナビコナノカミにまつわる様々な説

    海の向こうから小さな船に乗り、やってきたスクナビコナノカミ。

    その小さな風貌や豊富な知識で国造りをしたことから、様々な逸話が生まれました。

    ここでは、そんなスクナビコナノカミにまつわる逸話について紹介していきましょう。

    スクナビコナノカミと一寸法師は同一?

    スクナビコナノカミは体がとても小さく、ガガイモで作った小さな船で現れました。

    そのエピソードから、一寸法師のモデルとされています。

    腕力ではなく小さな体に詰められたたくさんの知識で、国造りをする際の困難を乗り越えていくスクナビコナノカミ。

    小さな体で知恵を絞り、鬼を退治した一寸法師と似た部分がありますね。

    スクナビコナノカミと薬師如来の関り

    スクナビコナノカミは豊富な医療の知識で国造りに関わったことから、薬の神様として広く知られています。

    薬師如来も同じく病気をなおし、身心の健康を守ってくれる仏様。

    仏教の薬師如来信仰が広まると共に習合したと考えられています。

    スクナビコナノカミは道後温泉の起源?

    伊予国風土記には、スクナビコナノカミとオオクニヌシノカミが道後に立ち寄った逸話があります。

    二人で国造りを進める最中、伊予の国へ向かう途中でスクナビコナノカミが急病で倒れてしまうのです。

    オオクニヌシノミコトは大分の連見の湯(今の別府温泉)の源泉を道後へ引き、
    スクナビコナノカミのために温泉を造りました

    スクナビコナノカミを手のひらに乗せ、湯の中に浸します。

    するとみるみる元気になったスクナビコナノカミ。

    道後には、元気になったスクナビコナノカミが踏んだ足跡が残る石があります。

    ここから日本最古の湯といわれる、道後温泉のはじまりとなるのです。

    スクナビコナノカミと恵比寿様のつながり

    スクナビコナノカミと恵比寿様は、一緒に祀られている神社が多いことから同一と見られることがあります。

    一般的に恵比寿様は海の向こうから福を運び、海の神様や豊漁の神様としての信仰もある福の神。

    また農民や商人に信仰が広がると、商売繁盛や豊作の神様としての顔をもちました。

    スクナビコナノカミも、同じく海の向こうからやってきた神様。

    そして持っている多くの知識を生かし、オオクニヌシノミコトと共に国造りに精を出しました。

    国造りをする中で農耕の神様や航海の神様の顔を持つことからも、民間信仰での恵比寿様とされています。

    スクナビコナノカミのご利益

    医薬・酒造・温泉の神様として有名なスクナビコナノカミ。

    多くの知識でもって国を発展させたスクナビコナノカミは、たくさんのご利益があります。

    特に薬の神様ということからも、医療関係のことでお悩みの方にとって心の拠り所となるでしょう。

    ここではスクナビコナのカミのご利益について紹介します。

    酒造繁栄

    スクナビコナノカミは、酒造りを広めた神様ということで酒造会社などで祀られていることが多い神様です。

    古来消毒力などの点から、薬の一つとされてきた酒。

    スクナビコナノカミとオオクニヌシノミコトは国造りの際に、薬のもととなる酒の醸造技術を広めました。

    このことから酒の神様としても知られています。

    五穀豊穣

    スクナビコナノカミは進んだ農業の知識を持っていました。

    一説ではスクナビコナノカミの体が小さいことが、穀物の種子を表しているという説があります。

    スクナビコナノカミは稲作の方法や、作物につく虫を追い払うおまじないを伝えました。

    そしてオオクニヌシノミコトとともに、持っている農耕技術を使い稲作の方法を広めたことからも五穀豊穣のご利益があると考えられます。

    医薬・病気平癒

    スクナビコナノカミは、医薬の神様や薬神として広く知られています。

    豊富な知識で人々を助け、医療を広めました。

    神話の中で山野に薬草を求め、病気になる人々を治療したというエピソードがあります。

    また日本昔話の「因幡の白うさぎ」の中で、
    病を治す方法を見つけたことから医療の神様と呼ばれるようになったそうです。

    医学関係の試験の際に訪れれば、きっと味方になってくれることでしょう。

    国土平安

    オオクニヌシノミコトと共に国造りをしたスクナビコナノカミ。

    心を一つに力を合わせて国を統治したことからも、国土平安にご利益があるといわれています。

    航海・漁業守護

    スクナビコナノカミが海の向こうからガガイモの舟に乗りやってきたエピソードから、
    航海の安全や漁業守護として信仰されています。

    スクナビコナノカミが祀られている神社

    スクナビコナノカミはオオクニヌシノミコトと協力して国造りをしたことから、
    オオクニヌシノミコトが祀られている神社には共に祀られていることが多いです。

    持っている多くの知識を広め、豊穣の世を造ったことで信仰されています。

    少彦名神社

    神社情報
    住所 〒541-0045 大阪府大阪市中央区道修町2丁目1-8
    電話番号 06-6321-6958
    公式サイト https://www.sinnosan.jp/blog/guide/gokito/
    主祭神 少彦名命 炎帝神農
    ご利益 病気平癒 手術成功 健康成就 無病息災 家内安全 など

    薬のまち道修町に鎮座し、「神農さん」の愛称で親しまれる少彦名神社。

    日本医薬総鎮守として信仰されています。

    薬は命に関わるとのことで、その吟味を正しく遂行しようとしたのが始まりです。

    文政五年にコレラが流行したとき「虎頭殺鬼雄黄圓」を作ったことから、
    「張子の虎」が家内安全や無病息災の独自のお守りとして広まりました。

    大神神社

    神社情報
    住所 〒633-8538 奈良県桜井市三輪1422
    電話番号 0744-42-6633 
    公式サイト https://oomiwa.or.jp/jinja/goyuisho/
    主祭神 大物主大神 大己貴神 少彦名神
    ご利益 病気平癒 手術成功 身体健全 健康成就 など

    古事記や日本書紀の中で創建にまつわるエピソードがあることからも、古社中の古社といえる大神神社。

    大流行した疫病を御祭神が鎮めたそうです。

    医薬の神様や酒造りの神様といわれ信仰されています。

    酒列磯前神社

    神社情報
    住所 〒311-1202 茨城県ひたちなか市磯崎町4607-2
    電話番号 029-265-8220 
    公式サイト https://sakatura.org/
    主祭神  スクナビコナノカミ 
    ご利益  病気平癒 健康長寿 

    平安時代から続く、歴史ある古社です。
    季節毎にお祭りを執り行っているので、参拝前に調べていくと良いでしょう。

    酒列磯前神社の「酒」の字は酒神としてのスクナビコナノカミの、
    酒という字をあてたのではないかとも考えられています。

    北海道神宮

    神社情報
    住所 〒064-8505 北海道札幌市中央区宮ケ丘474
    電話番号  011-611-0261
    公式サイトhttp://www.hokkaidojingu.or.jp/
    主祭神 大国魂神 大那牟遅神 スクナビコナノカミ 明治天皇
    ご利益縁結び 恋愛成就 子宝祈願

    北海道の発展と人々の幸せを見守るため、
    1869年明治天皇が開拓三神を祀るように詔を出したのが北海道神宮の始まりです。

    御祭神のスクナビコナノカミは恵比寿様とも呼ばれ、
    大漁や海上安全を与えてくれる海の神様としても知られています。

    まとめ

    医薬・酒造・温泉の神様として親しまれる、スクナビコナのカミについて紹介してきました。

    スクナビコナノカミはオオクニヌシノミコトと協力して国造りを行いながら、
    持ってる医療や酒造農作などの技術を広め豊かな国造りに活躍した神様です。

    医療関係で気になることがあったときはもちろん、
    これから何かを成し遂げる際に訪れればきっと善い知恵をかしてくれることでしょう。

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