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    航空の神ニギハヤヒノミコト(饒速日命)とは?ご利益や祀られている神社を紹介!

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    日本書紀や古事記の中では、あまり多くのことを語られていない謎の多いニギハヤヒノミコト。

    天津神の命を受け天磐船(あまのいわふね)という飛行船に乗り河内国に降臨したことから、
    空の神様や航空の神様として知られています。

    今回は大和朝廷の始まりにも関わりの深い謎に包まれた神様であり、物部氏の始祖とも伝えられるニギハヤヒノミコトについて紹介しましょう。

    目次

    ニギハヤヒノミコトはどんな神様?

    ニギハヤヒノミコトにまつわる、様々な神話が残されています。
    まずはニギハヤヒノミコトがどんな神様だったのかについて、紹介していきましょう。

    ニギハヤヒノミコトの神話

    神話によるとはるか昔の河内と大和一帯は、海や山の幸が豊富な恵まれた土地でした。

    神様の住む高天原で、ニギハヤヒノミコトは天津神から大和の建国を命じられます。

    天津神からの命により、アマノイワフネで大和を目指し出発したニギハヤヒノミコト。
    ニギハヤヒノミコトは十種の瑞宝をアマテラスオオミカミから授かり、フツノミタマの剱(つるぎ)と天津神の証明である天羽々矢(あまのはばや)も携えていました。

    その頃の河内国を治めていたのは、戦いに秀でたことで「長髄の者」と恐れられていた豪族のナガスネヒコです。
    農耕技術などの文化はまだ未発達なものの、狩りや漁に秀でた一族でした。

    河内国に天降りしたにニギハヤヒノミコトは、河内と大和の地で農耕や製鉄などの技術を広めていきます。
    ナガスネヒコは豊富な知識と技術を持ち、河内国をより豊かに向上させていくニギハヤヒノミコトに従うことにしました。

    こうしてニギハヤヒノミコトのもとで河内と大和の地は、恵みある豊穣の国として発展していくのです。

    アメノイワフネに乗り高天原から降臨

    アマノイワフネ(天磐船)は、ニギハヤヒノミコトが天降りするときに乗っていた飛行船です。
    石で作られ空中を飛行したものと伝えられています。

    天津神から命じられたニギハヤヒノミコトは、高天原からアマノイワフネに乗り船出します。

    ニギハヤヒノミコトは地上を見渡しながら、河内国の哮峯(現在の生駒山)に降臨したそうです。

    日本書紀と先代旧事本記の中では、この降臨したときの様子を「虚空見つ日本の国(そらみつやまとのくに)」と記述しています。

    アマテラスオオミカミより授かった十種の神宝

    十種の神宝(とくさのかんだから)とは、身や心の病を治す霊力を宿した瑞宝のことをいいます。
    先代旧事本記によれば神器であり、神に供える品物です。

    ニギハヤヒノミコトが天津神の命を受け、
    河内国に天降るときにアマテラスオオミカミから十種の神宝を授かりました

    【鏡二種】  
    ・沖津鏡 
    ・辺津鏡 

    【剣一種】  
    ・八握の剣

    【玉四種】  
    ・生玉 
    ・死返玉 
    ・足玉 
    ・道返玉

    【比礼(首に結ばずかけるだけのスカーフのようなもの) 三種】  
    ・蛇の比礼 
    ・蜂の比礼 
    ・品物之比礼

    これら十種が神宝だといわれています。

    ニギハヤヒノミコトと神武天皇

    哮峯に降臨したニギハヤヒノミコトは、農耕や製鉄技術などの先進的な文化で大和の地を治めました。

    同じ頃、大和の地を治めていたのは豪族であるナガスネヒコです。
    ナガスネヒコは、先進的な知識で国を発展させていくニギハヤヒノミコトの家来になり従うことにします。

    しかしそんな平和な大和の地へ、中つ国を治めるため大軍を率いてやってきたのはイワレビコ(後の神武天皇)

    ナガスネヒコはイワレビコに言います。
    「昔天津神の子であるニギハヤヒノミコトという神様がこの地に降臨した。私達はそのニギハヤヒノミコトに仕えている者だがどうして天津神の子が二人いるのか」と。

    二人は天津神の証明である天羽々矢(あまのはばや)を見せあいます。

    しかしナガスネヒコはイワレビコが神様だとわかっても争いをやめませんでした。

    そこでニギハヤヒノミコトはナガスネヒコを討ち、イワレビコ側につくこととなります。

    ニギハヤヒノミコトはイワレビコに天上界からきた証である宝物を献上し、忠誠を誓いました。

    ここに初代天皇である神武天皇の誕生となるのです。

    ニギハヤヒノミコトの別名

    ニギハヤヒノミコトにも他の神様と同じように別名があります。

    先代旧事本記の中で、ニギハヤヒノミコトは天火明命(あめのほあかりのみこと)と同一と考えられるそうです。
    そのことから天火明命の別名が、ニギハヤヒノミコトの別名と考えられたのでしょう。

    他に天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊(あまてるくにてるひこあまのほのあかりくしたまにぎはやひのみこと)も、
    ニギハヤヒノミコトの別名とされています。

    ニギハヤヒノミコトの様々な説

    日本書紀や古事記ではあまり多くのことが記録にないこともあり、様々な逸話が残るニギハヤヒノミコト。

    古事記や日本書紀以外の書物では、その出自に関しても様々な言い伝えがあり謎に包まれています。

    ここでは出自から妻に関する言い伝えなど、ニギハヤヒノミコトに関する説話について紹介しましょう。

    セオリツヒメが妻?

    セオリツヒメも古事記や日本書紀などの日本神話の中には登場してこない神様のため、謎に包まれた神様です。

    古事記や日本書紀以外の書物の中では、ニギハヤヒノミコトの妻という説があるセオリツヒメ。

    しかし日本神話の中では、ニギハヤヒノミコトの妻は長髄彦(ながすねひこ)の妹である
    登美夜毘売(とみやひめ)が妻と伝えられています。

    ニギハヤヒノミコトと白龍の関係

    一説ではニギハヤヒノミコトの妻という言い伝えがあるセオリツヒメは、水の神や川の神として知られています。

    神道の大祓詞(おおはらえのことば)によると水の神として、
    すべての罪や穢れを海の水に流してくれる清めや祓いの女神とされているのです。

    清めや祓いの女神とされることから、龍神様という言い伝えがあるセオリツヒメ。

    ニギハヤヒノミコトの妻という説があるセオリツヒメが龍神様とされていることから、白龍と関わりがあるという説に繋がっているのでしょう。

    アマテラスオオミカミの孫?

    日本書紀や古事記では、ニギハヤヒノミコトの出自に関する詳しい記述がないため多くの謎に包まれています。

    アマテラスオオミカミと同一説スサノウの子孫という説などの逸話も伝えられました。

    日本神話の中ではニニギノミコトの兄という説があります。

    ニニギノミコトはアマテラスオオミカミの孫と伝えられるので、兄であるとすればニギハヤヒノミコトもアマテラスオオミカミの孫ということになるでしょう。

    しかし、先代旧事本記や古代神社の伝承では、ニギハヤヒノミコトはアマテラスオオミカミの弟神であるスサノオノミコトと神大市姫(かむおおいちひめ)の御子という記述があります。

    このように伝承される書物によって出自が異なるという多くの謎に包まれている神様なのです。

    ニギハヤヒノミコトのご利益

    アマノイワフネにのり降臨したとされるニギハヤヒノミコト。

    空の神や航空の神様と知られるため交通に関するご利益や、十種の神宝をアマテラスのオオミカミから授かったことから病気平癒などのご利益も期待できることでしょう。

    ここでは、そんなニギハヤヒノミコトのご利益について紹介します。

    病気平癒

    病での痛みや苦しみがすべて治ると言い伝えられている十種の神宝。

    鎮魂祭(みたましずめのまつり)をすることで、病での痛みや苦しみがすべて治るそうです。

    このことからニギハヤヒノミコトはご祈祷の祖とされ、病気平癒にご利益があるとされています。

    諸願成就

    ニギハヤヒノミコトは天降りの地である河内国を開拓し、豊かで平和な地に治めたことから諸願成就のご利益があると考えられています。

    皮膚病・腫れ物の守護

    ニギハヤヒノミコトがご祭神である石切劔箭(いしきりつるぎや)神社は、「でんぽの神さん」として知られています。

    このでんぽとは腫れ物のことを言うことから、皮膚病や癌などにご利益があるとされ信仰を集めているそうです。

    航空安全

    航空関連の企業で祀られていることが多いニギハヤヒノミコト。

    天降りをしたときにアマノイワフネという飛行船に乗っていたことから空の神様や飛行の神様として信仰され、
    航空安全のご利益があるとされています。

    勝運上昇

    中つ国を治めるために軍を進めていたイワレビコ側にニギハヤヒノミコトがついたことで、
    イワレビコは勝利し初代神武天皇となりました。

    イワレビコを勝利に導いたことから勝運上昇のご利益があることでしょう。

    ニギハヤヒノミコトが祀られている神社

    神話では十種の神宝を授かりアマノイワフネで降臨し、大和の地に農耕や製鉄文化を伝えた神様であるニギハヤヒノミコト。

    そんな重要な役割を担ったニギハヤヒノミコトを祀る神社を紹介していきましょう。

    飛行神社

    神社情報
    住所 〒614-8002 京都府八幡市八幡土井44
    電話番号 075-982-2329
    公式サイト https://www.hikoujinjya.com/
    主祭神 ニギハヤヒノミコト
    ご利益 航空安全 開発発明祈願 学業成就

    創建は日本初の飛行開発者である二宮忠八
    航空事故が増え飛行機開発者としての責任を感じた二宮忠八は、1915年に神社を創設しました。

    航空事故犠牲者の慰霊と航空業界に多大な影響を与えた方達を祀っています。
    また航空や宇宙業界関係者が安全祈願に訪れる神社です。

    廣瀬大社

    神社情報
    住所 〒636-0051 奈良県北葛城郡河合町川合99
    電話番号 0745-56-2065
    公式サイト https://hirosetaisya.p-kit.com/
    主祭神 若宇加能売命
    ご利益 家内安全 商売繁盛

    大和盆地を流れる河川の合流地点に鎮座することから、水神としての信仰がある廣瀬大社。
    日本書紀にも記録が残る廣瀬大社は、太古の古社といわれています。
    古来から、衣食住の守護神として国家の重要な祭祀が執り行われてきたそうです。

    日本書紀によると、天武天皇は風を司る龍田風神と廣瀬を二社一対のお社として両社を祀ることとしました。
    風水を調和し、国家安泰・五穀豊穣を祈願することとしたのです。

    物部神社

    神社情報
    住所 〒694-0011 島根県大田市川合町川合1545
    電話番号 0854-82-0644
    公式サイト https://www.mononobe-jinja.jp/
    主祭神 ウマシマジノミコト
    ご利益 病気平癒 交通安全 社業繁栄 商売繁盛など

    物部氏の先祖と伝わるウマシマジノミコトが鎮魂祈祷を最初に行ったことから、
    占いや祈祷の神様としての信仰が厚いことで知られています。

    また、文武両道の神様・鎮魂の神様・勝運の神様としても信仰されてきました。

    戦国時代には石見銀山争奪戦の舞台となり、
    文芸や武道の上達祈願のほか氏族繁栄や雨乞いなど多くの祈祷がされています。

    磐船神社

    神社情報
    住所  〒576-0033 大阪府交野市私市9丁目19
    電話番号 072-89-2125
    公式サイト https://www.iwafune-jinja.net/
    主祭神 ニギハヤヒノミコト
    ご利益 起死回生 病気平癒など

    ニギハヤヒノミコトが天磐船に乗り、降臨したと伝えられる交野市天野川に鎮座する磐船神社。
    古来から修験場として知られ多くの巨石が形作る岩窟があり、昔のままの姿を残しているそうです。

    また巨石には神様が宿ると伝えられ、御神体としてニギハヤヒノミコトが乗ってきたとされる巨石があります。

    北野天神社

    神社情報
    住所 〒350-1147埼玉県所沢市小手指元町3丁目28-44
    電話番号 04-2948-0653
    公式サイト https://kitanotenjin.com/
    主祭神 物部天神社(ニギハヤヒノミコト)、国渭地祇神社(オオクニヌシノミコト)、
    天満天神社(菅原道真)
    ご利益 航空、交通安全、勝運上昇、商売繁盛、良縁祈願、学業成就、
    合格祈願、技芸上達、厄除け

    埼玉県最古の天神様として知られる北野天神社。
    正式名は物部天神社・国渭地祇神社・天満天神社といい、この三社を総称して北野天神社と呼ばれています。

    物部天神社と国渭地祇神社は、天津神であるヤマトタケルノミコトが東征のときに創設しました。

    まとめ

    アマノイワフネという、飛行船で降臨したニギハヤヒノミコト。
    その生まれに関しては記述もなく、謎に包まれているためロマンあふれる逸話のある神様です。

    航空関係で祈願したいことがあるとき、体に心配事があるときに訪れれば
    きっと良いご利益が期待できることでしょう。

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