神社などで使われていることもある、ひふみ祝詞を知っていますか?
ひふみ祝詞ははるか昔から日本で唱えられてきましたが、どんな意味があるのか気になりますよね。
そこでこの記事では、ひふみ祝詞について紹介したいと思います。
意味はもちろん、効果やご利益などについても触れていますのでぜひ最後まで読み進めてみてください。
ひふみ祝詞とは
ひふみ祝詞と言うのは、一体どんな言葉なのでしょうか。
祝詞とは「神を祀り祈るとき、神様に奉上する言葉」のことを言います。
つまりひふみ祝詞も、神様にささげられる言葉として使われていたというわけです。
まずは、ひふみ祝詞の基本情報を紹介していきましょう。
ひふみ祝詞の全文
ひふみ祝詞は、以下の47文字から成り立っています。
「ひふみ よいなむや こともちろらね
しきる ゆゐつわぬ そをたはくめか
うおえ にさりへて のますあせゑほけれ」
「ほけれ」のあとに「ん」が入ることもあるようです。
神様に捧ぐ言葉ですが、そんなに長い言葉ではありません。
ひふみ祝詞の唱え方
ひふみ祝詞はその唱え方にも特徴があります。
古来からの伝承としては、一息で言い切るのがひふみ祝詞を唱えるときのルールだそうです。
もし息継ぎをするう場合は「そをたはくめか」で切りましょう。
そして、ひふみ祝詞は3回繰り返すのが一般的な唱え方になります。
最後は「ふるべ ゆらゆらと ふるべ」で締めるそうです。
47字で構成されている
ひふみ祝詞全文を見て分かる通り、ひふみ祝詞は47文字で構成されています。
平仮名をそれぞれ1回ずつ使っているのが特徴です。
ひふみ祝詞はアナグラムになっているのですが、これは「いろは唄」と同じなので聞いたことのある人も多いでしょう。アナグラムとは、文字の位置を入れ替えて別の意味を持つ語句のことを言います。
数霊の力
ひふみ祝詞を日本語として捉えた場合、最初は数字で始まります。
「ひふみよいなむやこと」は、数字の一から十までを表しているのです。
そのためひふみ祝詞には、数霊の力が宿るといわれてきました。
言葉と同様、日本では昔から数字にも霊が宿ると考えられていたのです。
ひふみ祝詞にも、数霊が宿っているのかもしれません。
ひふみ祝詞の言霊
言霊とは、言葉に宿る不思議な力のことを言います。
古くから日本では、言葉や文字には不思議な力があると考えられてきました。
その名残は意外と多く、たとえば受験の前に「落ちる」「すべる」などの言葉を避けるのもそうです。
「落ちる」と言ったからといって受験に失敗するわけではないですが、多くの人がこういう言葉を避けてきたのではないしょうか?
これは、言葉には力があると考えられてきた何よりの証拠です。
ひふみ祝詞のような言霊を宿した祝詞は厄災を幸福に転換させる力を持つことから、鎮魂法として使われていました。
ひふみ祝詞の意味と力
ではここで、ひふみ祝詞の意味やひふみ祝詞が持つ力について紹介します。
ひふみ祝詞は47文字から成り立っているわけですが、一体どんな意味があるのでしょうか。
くわしく見ていきましょう。
現代語訳
ひふみ祝詞をそのまま現代語訳すると、以下のような意味になります。
全ての生物、森羅万象は恩顧(おんこ/万物の恵みを受けとること)により生を受ける(身を捧げる)ものです。
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日々の生活は日の神、月の神の慈しみによること至大です。
日の神、月の神は人々の苦悩を去らしめ、悪神がとりつくことから守ってくださいます。
田畑で育つ穀物は豊かに実り、海の魚は豊富に獲得できます。
全ての人が喜びと共に働いて日々を生き、飢え渇くことはありません。
朝に出て日を背に汗し、夕に帰る喜びに感謝し、日の神、月の神の出現を祈り拝せよ。
また、ひふみ祝詞を古代ヘブライ語に訳してみると以下のような意味になります。
誰がその美しい方(女神)を出すのでしょう。彼女に出て頂くために、いかなる言葉をかけたらいいのでしょう。
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ひふみ祝詞の意味や解釈については諸説あるようですが、一文字一文字に言霊が宿る非常に強い祝詞だと言われているのです。
十種神宝
十種神宝とは、文字通り十種類の宝のことです。
ニギハヤヒノミコトが天から下りてくるとき、アマツカミミオヤから授かったと言われています。
その際に唱えた「布瑠の言」は、死者を蘇生させる言霊を宿していたそうです。
布瑠の言はひふみ祝詞と同じものを指すので、ひふみ祝詞は十種神宝とも深い関係があると言えるでしょう。
唱え始めたのは誰だったのか?
一説によると、ひふみ祝詞を最初に唱えたのはアメノウズメノミコトだと言われています。
アマテラスオオミカミが天岩戸に隠れて世界が闇に包まれたとき、アメノウズメノミコトは岩戸の前で情熱的な舞を披露しました。
その際にひふみ祝詞を唱えたのが、起源だと言われています。
アマテラスオオミカミという偉大な神に捧げる唄として使われたのが、始まりだと言えるでしょう。
現代では、石上神宮で唱えられています。
生活に取り入れてみる
ひふみ祝詞は、私たちの生活に取り入れることも可能です。
その場合、先述したように3回唱えるようにしてください。
ひふみ祝詞は非常に強い力を持つ言葉なので、以下のような効果を得られるようになるでしょう。
- マイナスの力をなくす
- 明るい気を呼び込む
- 体調を整える
- 家庭内を良好に保つ
- 仕事運を上昇させる
- 良縁に恵まれる
基本的に良いことが起こるといわれていますので、毎日ひふみ祝詞を唱えてみてはいかがでしょうか。
危険はある?
ひふみ祝詞は、何度も言いますが非常に強い言霊を宿しています。
文字そのものに強いエネルギーがありますので、軽い気持ちで取り入れるのは危険かもしれません。
特に、自身の体調が優れないときなどは控えたほうが良いでしょう。
また、唱え方を間違えると状況が悪化することもあります。
ひふみ祝詞を唱えるときには、正しい方法で唱えることを心掛けてください。
ひふみ祝詞のご利益
ひふみ祝詞には、どのようなご利益があるのでしょうか。
ひふみ祝詞は強いエネルギーや言霊を宿していますので、多くのご利益があると言われています。
これらの効果・ご利益を得るためには、ひふみ祝詞に宿った言霊を崇める気持ちを忘れてはいけません。
信じる気持ちを持つことで、以下のようなご利益を得られるようになるでしょう。
開運
ひふみ祝詞は非常に強いエネルギーを秘めていることから、唱えることでその人の波動を高めることができます。
波動やエネルギーは目に見えるものではありませんが、体の中から湧き上がってくる何かを感じられるようになるはずです。
このように波動が高まると、物事が良い方向に進むようになるでしょう。
ひふみ祝詞の持つ開運効果は、非常に強いと言えます。
苦難除去
ひふみ祝詞は、もともと神様に捧げる唄です。
そして、強い浄化作用を持っています。
あなたが抱えている苦難を取り除き、あなたが生きやすくなるようにサポートしてくれることでしょう。
息災延命
息災延命とは、わざわいを取り除いていのちを延ばすことを言います。
ひふみ祝詞には浄化の作用があり、鎮魂法としても用いられてきました。
このことからもわかるように、ひふみ祝詞には「わざわいをなくす」力があると言えます。
わざわいがなくなれば長生きできるようになるので、ひふみ祝詞には息災延命の効果があるといえるのでしょう。
除災招福
除災招福とは、わざわいを祓い幸福を招くという意味です。
先ほども触れたように、ひふみ祝詞は鎮魂法としても用いられてきました。
それは、ひふみ祝詞に「厄災を幸福に転換させる力」があると信じられてきたからです。
ひふみ祝詞に込められた言葉には、このような力があるのでしょう。
ひふみ祝詞と関わりのある神社
最後に、ひふみ祝詞と関わりのある神社について紹介します。
ひふみ祝詞ははるか昔から唱えられていたものですが、今でも唱えられている場所はほとんどありません。
そんなひふみ祝詞と深い関係があるのは、石上神宮です。
石上神宮
石上神宮では、毎日ひふみ祝詞が唱えられています。
朝拝では参拝客も一緒にひふみ祝詞を唱えるのですが、神拝詞を見ながら行うので難しくはありません。
10月に3日間かけて行われている例祭では、県内外問わず多くの人が訪れています。
非常に歴史のある神社ですが、多くの人から信仰されているといえるでしょう。
住所 | 〒632-0014 奈良県天理市布留町384 |
電話番号 | 0743-62-0900 |
公式サイト | https://isonokami.jp/ |
主祭神 | フツノミタマノオオカミ、フルノミタマノオオカミ、フツシミタマノオオカミ |
ご利益 | 健康長寿、病気平癒、除災招福、百事成就 |
石上神宮は物部氏の氏神
実は石上神宮は、物部氏の氏神でもあります。
物部氏は、飛鳥時代に大和政権の軍事を担当していた豪族です。
ニギハヤヒノミコトを祖に持つと言われています。
ニギハヤヒノミコトは天から降りるときに十種神宝を授かり、布瑠の言(ひふみ祝詞)を唱えました。
このような繋がりがあることから、物部氏の氏神である石上神宮では今でもひふみ祝詞を唱えているのかもしれません。
まとめ
強力な言霊を宿している、ひふみ祝詞について紹介しました。
ひふみ祝詞は47文字のアナグラムで構成されており、私たちの身近な存在と言えるでしょう。
しかし、その強大な言霊の力は時に危険を伴うことも忘れてはいけません。
軽い気持ちで唱えると、余計に状態が悪化することもあるのです。
とはいえ、正しく唱えればひふみ祝詞はあなたの日常をより良いものにしてくれることでしょう。
強い除災招福の効果を持つひふみ祝詞を味方につけ、より良い生活を送っていってください。